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<Wコラム>チャン・グンソク『テバク』から始まる新しい挑戦~苦悩の日々から光明が見えた

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2016/05/25 19:48配信
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■ラブコメを卒業したい

 チャン・グンソクはドラマ『キレイな男』(2013年制作)に主演したあとにこう語っている。

「『キレイな男』が最後のラブコメになるかもしれません。『美男〈イケメン〉ですね』以降に出演した作品は全部ラブコメでした。20代に一番似合う作品を選んだので、今度は違うものをやってみたいと思います。アクションでも、スリラー、ホラーでも。20代に一番似合うキャラから脱皮して新しいチャン・グンソクを見つけなければなりません。それは僕にとっての宿題だと思います。チャレンジしたいし、守備範囲を広げたいという欲があります。ラブコメのようにシンプルで軽い作品をたくさんやってきたので、今後は重みのある、これまでとは違うものにトライするのが、俳優としての野望です。長い目で見れば、俳優としての守備範囲を広げるのが課題だと思っています」

 この言葉を見るかぎり、きたるべき30代を見据えて、チャン・グンソクは多様な演技ができる俳優への成長を模索していたことがわかる。

 彼がラブコメで大ヒットを飛ばしていたことは事実だが、それだけではやがて行き詰まることを悟っていたのだ。

 それ以前にも、チャン・グンソクが演技の幅を広げることにチャレンジした時期があった。2012年に制作された『ラブレイン』がそれである。

『冬のソナタ』で著名なユン・ソクホ監督がメガホンを取る作品。実績がある監督のもとでドラマの主演ができることは、チャン・グンソクにとってもこの上ない光栄なことであっただろう。


■『ラブレイン』の視聴率

『ラブレイン』は1970年代の<過去>と2012年の<現在>という2つの時間軸を舞台に繰り広げられるドラマで、親子二代にわたる“初恋”が描かれる。主演はチャン・グンソクとユナ(少女時代)。2つの時代に生きるキャラクターをそれぞれ1人2役で演じ分けていた。

 チャン・グンソクはユン・ソクホ監督から多くのことを学ぼうとした。当時について、彼がこう語っている。

「ユン・ソクホ監督とはいろいろなお話をさせていただく時間を持つことができました。韓国では、ドラマが始まる6か月前まで10か月間の撮影期間がありました。撮影中は、韓国だけでなく日本でも美しい風景があればそちらに飛んで行って映像に盛り込むという作業をしておりました。その美しい風景だけでなく、人物のこまやかな表情やキャラクターの眼差しと仕種まで、1970年代から現代に至るまでの時代の流れと感性を映像に盛り込んでいきました。そのような意味について、ユン・ソクホ監督とさまざまな意見交換をすることができました。考えに詰まったとき、ユン・ソクホ監督と同じホテルに泊まっていたので真夜中に連絡をしてお部屋を訪ねて、演技について質問したりお話を伺ったりしていました」

 まさに、チャン・グンソクの意欲がひしひしと伝わってくる。

 しかし、『ラブレイン』は韓国では視聴率が惨敗におわった。最高でも視聴率が6.4%であり、5%を切ることもあった。

 視聴率が作品のすべてではないが、それでも視聴率がよくないと主役への風当たりは相当に強くなる。


■「この作品をのがしたくない」

 チャン・グンソクとユナが主演したというのに、なぜ『ラブレイン』は視聴者の評価が低かったのか。

 理由としては、ユン・ソクホ監督の繊細な演出スタイルが韓国で飽きられていたことが挙げられる。四季シリーズでいうと、前半の『秋の童話』と『冬のソナタ』は大成功していたが、後半の『夏の香り』と『春のワルツ』は視聴率がサッパリだった。抒情的な描き方と美しい映像がすばらしいのだが、その演出スタイルがまったく変わらないことで、視聴者が食傷気味になった点は否めない。それが『ラブレイン』にも及んでしまった。

 チャン・グンソクは、そのあおりを受けてしまった格好になった。1970年代の主人公を演じたときの彼は、ナイーブな感受性を大いに感じさせてくれたし、そのピュアなイメージは『ファン・ジニ』のウノ役をやったときと何ら変わらないことを示していた。

 しかし、視聴率が良くなかったことで、チャン・グンソクも少なからず傷ついた。

 結果的に再びラブコメに戻り、『キレイな男』に主演したのだが、こちらも視聴率が低調だった。平均で4%という有様で、2013年の地上波3局の中で最低視聴率ドラマになってしまった。

 歌手活動のほうは絶好調だったが、二本柱のもう1つの柱の俳優業のほうは停滞していた。さしもの楽天家も、自信を失いかけてしまったのも仕方がない。

 雌伏2年。チャン・グンソクに最大のチャンスが訪れた。『テバク』の主演を依頼されたのだ。シナリオを読んだとき、チャン・グンソクは「この作品を絶対にのがしたくない」と思った。それほど手応えを感じるシナリオだった。


文=康 熙奉〔カン ヒボン〕
(ロコレ提供)





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