新作映画で独特の魅力発揮 女優イ・ナヨン

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2010/01/13 14:01配信
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イ・ナヨンの演技は独特だ。もじもじとして口ごもりがち、何かを渇望しているようであり空っぽにも見える瞳は、誰もまねできない彼女の個性だ。片思いを演じさせたら抜群で、映画『英語完全制服』(2002年)、『小さな恋のステップ』(2004年)は彼女の個性が遺憾なく発揮されている。

 そんな女優イ・ナヨンが、再びもどかしい恋を表現する。映画『パパは女の人が好き』で演じる主人公ソン・ジヒョンは、男性から女性に性別適合手術を受けたために、片思いではないものの簡単に相手に歩み寄ることができない。

 14日の封切りを控え、イ・ナヨンにインタビューをした。まず、性別変更という難しいモチーフと、男性を演じることに対する負担について聞くと、「コメディーとトレンスジェンダーという素材の組み合わせが斬新に見えた。女優としてイメージに打撃になるかもしれないという懸念もあったが、とても温かい話なので大丈夫だと思った」との答え。おかしなことに男性役には違和感はなかったという。カットした髪はテレビコマーシャルでなれていたし、もともと大きめの服も良く着れば、運動も好きなためジャージ姿も平気だった。本当に難しかったのは、準備段階でジヒョンというキャラクターのアイデンティティーに迫ることだった。

 映画は、性別適合手術を受けた写真家ジヒョンと、特殊メークアーティストのジュンソ(キム・ジソク)の恋をコミカルに描く。何よりイ・ナヨンの魅力が光る作品だ。口べたでどこかギクシャクした動きはむしろかわいらしく、男性に変身して下手な正拳突きを披露する姿は、笑いを誘うも愛らしい。

 『小さな恋のステップ』など、似たような役柄ばかりではないかとの批判もあるが、映画とは俳優の個性に監督の演出力が重なってできるもので、ある程度は違ってくるというのがイ・ナヨンの考えだ。それでも、「演技が難しいのは事実です。難しすぎて死にそうです」。

 今後どんなジャンルの映画に出たいか尋ねたところ、「近ごろの女優はジャンルを選べる状況はないようだ」という答えが返ってきた。彼女もアクションやコメディーも挑戦したいと考えているが、映画界を取り巻く状況は厳しいのが現実だ。

 実際、彼女がこれまで選択してきた映画は一般受けしたとはいい難い。253万人の観客を集めた『私たちの幸せな時間』(2006年)を除くと、興行成績が注目に値する作品はほとんどない。オダギリジョーと共演した前作『悲夢(Himu)』(2008年)は観客9万人にとどまった。出演を決める際、彼女はシナリオを読み、作品性よりは大衆的で面白い映画を選択するという。『悲夢』もシナリオを読んでとても面白く感じた作品だった。「これこそがコメディーだと思ったが、観客はちょっと違う見方だったようです」。

 素顔のイ・ナヨンは、確かに人とは変わっていて、多少とぼけた面もある。映画鑑賞と読書が趣味だ。好きな役者や監督を聞くと、「ペドロ・アルモドバル(監督)とペネロペ・クルスの組み合わせは完ぺき」と即座に答え、さらにウディ・アレン、ジャン・ピエール・ジュネ、ティム・バートン、ジョニー・デップ、コーエン兄弟、ハビエル・バルデムと、ひとしきり挙げた。

 彼女自身はどんな役者になりたいのだろうか。じっと考え込んでから、「誰かがわたしを見たとき、ただ『おもしろい俳優』と感じてくれるといい」と答えた。

最終更新:2010/01/13  14:56


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