<W解説>韓国で社会問題化する芸能人を標的にしたフェイクニュース=キム・ヨナさんやヒョンビンさんも被害(画像提供:wowkorea)
<W解説>韓国で社会問題化する芸能人を標的にしたフェイクニュース=キム・ヨナさんやヒョンビンさんも被害(画像提供:wowkorea)
韓国で芸能人をターゲットにした悪質なフェイクニュースが後を絶たず、社会問題とも言うべき深刻な状況となっている。フェイクニュースを流された芸能人たちは、所属事務所を通じて法的措置を取るなどしているが、現在のところ、直接的な処罰は難しく、フェイクニュースの被害に遭った芸能人からは、1日も早い法整備を望む声が上がっている。

キム・ヨナ の最新ニュースまとめ

 先月には、とあるユーチューブチャンネルを通じて、2010年「バンクーバー五輪」フィギュアスケート女子金メダリストのキム・ヨナさんと声楽家コ・ウリムさんが離婚するという、全くのデタラメな情報が発信された。動画には具体的な日付や状況などを盛り込んでもっともらしく見せており、極めて悪質だ。このユーチューブチャンネルは登録者数8500人を有する。このフェイクニュースをアップした後もチャンネルを維持し、他の芸能人や著名人にまつわるフェイクニュースを流し続けている。

 キム・ヨナさんとコ・ウリムさんは昨年7月に婚約を発表し、大きな話題となった。このニュースは日本でも報じられ、祝福に包まれた。2人は10月にソウル市内ホテルで結婚式を挙げた。キムさんは式後に自身のインスタグラムを更新。「良い人に出会い、未来を約束した。多くの祝福の中ですてきな式を挙げた。祝福してくれた全ての人に心から感謝する」とつづった。その後もコさんと見つめあう様子など、幸せあふれる写真を立て続けに20枚公開して話題となった。

 夫妻が離婚したという事実無根の情報を流されたことを受け、キムさんの所属事務所の代表は声明を発表。「あまりにひどく、荒唐無稽な偽りのニュースが広く流布され、夫婦の名誉を著しく傷つけた。問題のユーチューバーや拡散させた人に対しては断固たる法的措置を取る」としている。

 今月15日には、日本でも人気が高い俳優のヒョンビンさん、女優のソン・イェジンさん夫妻がフェイクニュースの被害に遭った。とあるユーチューブで、2人が離婚に合意したとの偽情報が発信された。虚偽の内容にもかかわらず、アップから1週間も経たぬ間に再生回数は30万回を超えた。

 日本でも話題となった韓国ドラマ「愛の不時着」で共演した2人が結婚するとのニュースが流れたのは昨年の2月のことだった。日本の各メディアも当時このニュースを速報し、ツイッターでは「愛の不時着」「ヒョンビン」「ソン・イェジン」「結婚発表」などがトレンド入りするなど高い関心を集めた。その後2人は翌月に式を挙げた。昨年11月には第1子となる男児が誕生した。

 今回のフェイクニュースを受けて、ソンさんの所属事務所は既にユーチューブに対して動画の削除を要請。ヒョンビンさんの所属事務所も今後、しかるべき措置を取る方針という。

 韓国メディアのOSENは「最近のスター夫婦関連のフェイクニュースは、あえて仲むつまじい夫婦を取り上げて作られている状況だ」と指摘。「このようなフェイクニュースによる金儲けは根絶されなければならないが、刺激的なタイトルと映像で収益を得る行動は続いていている」と問題提起した。その上でOSENは「ユーチューブはメディアではなく個人放送として扱われるため、現行法ではフェイクニュースは処罰が不可能だ。個別に措置を取ればサイバー名誉毀損(きそん)罪で処罰できるが、過程や手続きなどは複雑で長期化するため、すぐさま直接的に処罰することは難しい」と解説した。

 芸能事務所も法的措置を講じるなどしているが、フェイクニュースは次々と配信されている。事実無根の情報を流されたキム・ヨナさんの所属事務所は「表現の自由だからとフェイクニュースが横行している。芸能人やスポーツ界のスターたちを標的にして、まるで毒キノコのように広がっている」と現状を吐露した。

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