韓国の尹錫悦大統領は3・1節の記念の辞において、その重点を「未来」に置たことで「日韓首脳会談の早期開催」に関心が集まっている(画像提供:wowkorea)
韓国の尹錫悦大統領は3・1節の記念の辞において、その重点を「未来」に置たことで「日韓首脳会談の早期開催」に関心が集まっている(画像提供:wowkorea)
韓国のユン・ソギョル(尹錫悦)大統領が、自身初の3・1節の記念の辞において、その重点を「謝罪の要求」ではなく「未来」に置いたことで「日韓首脳会談の早期開催」に関心が集まっている。

これは、両国が元徴用工賠償問題の解決法を見出すためスピード感をもって進めていることから「ことしの前半に、日韓首脳会談を開催するのでは」という見方が出ているためである。

韓国の政界や外交界では、尹大統領の3・1節の記念の辞について「(日韓)外交当局間の元徴用工交渉が最終段階に入った雰囲気を反映したものだ」という分析に重きが置かれている。

韓国与党圏の関係者は「(尹大統領の記念の辞は)韓日関係改善に対する尹大統領の強い意志が反映されたものだ」とし「元徴用工などを直接言及しなかったことで日本を刺激せず、暗黙的に日本側の『決断』を求めたものとみられる」と語った。

実際、日本外務省で交渉実務を担当している船越健裕アジア大洋州局長が先週末に非公式で訪韓したことにつづき、パク・チン(朴振)外相もG20外相会議の出席を取り消して先月28日に元徴用工の遺族たちと初めて団体面談を行なっている。

「まだ日本の被告企業による賠償への参加や謝罪など、核心的な争点において両国間の立場の違いを狭めることができずにいる状態だが、両首脳間における関係改善の意志が大きいことから、今回の記念の辞は交渉の進展に肯定的に作用するだろう」という期待がある。

一部では、元徴用工問題が解決される場合、5月のG7広島サミットの招請前に尹大統領の訪日が実現する可能性も取りざたされている。

「早ければ来月末に予定される尹大統領の訪米前に、訪日が実現するかもしれない」という見方も出ている。尹大統領の訪日が実現すれば、韓国大統領の日本訪問はムン・ジェイン(文在寅)前大統領が2019年6月のG20大阪サミット出席して以来4年ぶりとなる。そのため韓国政府は「尹大統領の訪米前に元徴用工問題の決着をつける」という意志が強いものとみられる。

ただ、韓国大統領室は、日韓首脳会談の早期開催について言及を控えている。大統領室の複数の関係者は「今は答えることができない問題だ」とし「目標時期を定めておいて協議しているわけではない」と語った。

尹大統領は去る1日、3・1節の記念の辞で、日本について「かつての軍国主義侵略者から、普遍的価値を共有し安保と経済そしてグローバル・アジェンダにおいて協力するパートナーになった」と規定した。つづけて「複合危機と深刻な北核脅威など、安保危機を克服するための韓米日3者協力が非常に重要になった」と強調した。

歴代の韓国大統領による3・1節記念の辞において、必ず登場してきた「歴史問題・歴史認識・謝罪・反省」などの表現は、今回言及されることはなかった。また、元徴用工や慰安婦問題・竹島(韓国名:ドクト・独島)など具体的な日韓両国間の懸案についても言及されなかった。

このことについて米国務省は「とても支持する(very much support)」とし「(尹大統領は)『日韓両国が共有する価値に基づいて、日本とより協力的で未来志向的な関係を模索する』というビジョンを明確にした」と伝えた。

一方、松野博一官房長官は1日の定例会見で「日韓関係を健全なかたちに戻し、さらに発展させていくため、韓国政府と引き続き緊密に意思疎通していく考えだ」と原論的な立場を伝えたが、日本のメディアは日本をパートナーと評価した尹大統領の記念の辞に対し肯定的な反応を示した。

Copyright(C) herald wowkorea.jp 96