<W解説>加速化する韓国の少子高齢化、2075年には経済規模がフィリピンなどアジア諸国に遅れを取るとの予測(画像提供:wowkorea)
<W解説>加速化する韓国の少子高齢化、2075年には経済規模がフィリピンなどアジア諸国に遅れを取るとの予測(画像提供:wowkorea)
韓国紙の東亜日報は12日、韓国の経済規模は少子高齢化により2060年代から後退し、2075年にはフィリピンやマレーシア、バングラデシュなどのアジア諸国に遅れをとるだろうとの、米国のグローバル投資銀行、ゴールドマンサックスの予測を伝えた。

 ゴールドマンサックスは8日(現地時間)、「2075年への道」と題した報告書を公開。韓国の経済成長率について、2020年代の平均2%から2040年代には0.8%に下落。その後、2060年代にはマイナス0.1%、2070年代にはマイナス0.2%に下落すると予測した。同紙によると、ゴールドマンサックスが成長率の予測値を出した34か国中、マイナス成長率に下落すると予測した国は韓国が唯一という。

 60歳以上の人口が全体に占める割合によって高齢化社会(7%以上)、高齢社会(14%以上)、超高齢社会(20%以上)と分類される。日本が高齢化社会から高齢社会に変わるのに25年かかったのに対し、韓国は2000年から2018年に18年しかからなかった。韓国が急速なペースで老齢社会に変わっていっていることがわかる。

 2025年に韓国は超高齢社会になることが確実視されており、2030年には老年化指数が日本を上回るものとみられている。老年化指数は年少人口(0~14歳までの人口)100人がどれくらいの高齢者を支えているかを示す指標。昨年時点での老年化指数は日本が253で韓国が139.5。しかし、先月、国連と日本国立社会保障・人口問題研究所、韓国統計庁などが、2030年には韓国の老年化指数は301.6を記録し、日本(293.8)を上回るとの予測を発表した。韓国の出生率は今年7~9月期時点で0.79人で、日本の1.3人台よりも大幅に低く、韓国の老年化指数は日本を上回るペースで高まる見通しだ。

 韓国統計庁が12日にまとめたところによると、昨年11月1日時点で、結婚して5年以内の新婚夫婦は110万1000組で、前年比7%減少した。統計を取り始めて以来、最も大きく減少した。中でも結婚から1年未満の夫婦は10.4%も減っている。もっとも、これは、新型コロナウイルスの流行の影響によるところが大きいとされる。注目すべきは新婚夫婦の平均子ども数で、新婚夫婦の約8割を占める初婚のカップルの場合、子どもの平均人数は0.66人で、前年比0.22人減少した、さらに、共働き夫婦の平均子ども数は0.59人で、夫か妻のどちらかのみ働いている夫婦に比べて0.15人少なくなっている。

 韓国はこれまで少子化対策にはかなりの額の資金と人材を投入してきたが、出生率の減少に歯止めがかからない。米CNNは今月4日、韓国の少子化対策について取り上げ、「歴代の政府が2000億ドル(約27兆円)を投入したが、少子化問題を依然解決できずにいる」と指摘した。

 ユン・ソギョル(尹錫悦)政権は発足間もない今年6月、人口危機対応タスクフォースを設置するなど、待ったなしの状況に何とか打開策を見出そうとしているが、韓国の少子化対策は空回り気味だ。教育部(部は省に相当)は今年7月、小学校の就学年齢を1歳引き下げて満5歳にする構想を打ち出した。結婚年齢の前倒しや労働力不足への合う対応を念頭に置いた「秘策」だったが、保護者たちの反発で撤回に追い込まれた。

 少子高齢化の伴う労働力の低下が懸念されており、今後、生産性に大きな変化がなければ、労総人口の相対的減少がGDP(国内総生産)を減少させることになる。韓国の実質GDPは、2030年代の2兆ドルから2060年には3兆3000億ドルに伸びた後、2075年には3兆4000億ドル台で停滞する見通しだ。このため、2075年の韓国の経済規模は、冒頭のゴールドマンサックスの予測によると、日本(7兆5000億ドル)はもとより、フィリピン(6兆6000億ドル)、マレーシア(3兆5000億ドル)など東南アジア諸国や、バングラデシュ(6兆3000億ドル)などの南アジア諸国よりも小さくなると予想した。

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