年金の枯渇問題、「保険料を増やし、受給年齢を遅らせるべき」=韓国(画像提供:wowkorea)
年金の枯渇問題、「保険料を増やし、受給年齢を遅らせるべき」=韓国(画像提供:wowkorea)
「年金の枯渇」が問題視されている韓国で、国民年金の保険料率と受給年齢を上げるべきだという見解が、韓国政府主導の専門家フォーラムで示された。

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 とくに受給年齢を引き上げるためには、高齢層の労働市場を改善することが必要だ。所得の空白を雇用で埋めなければならないためだ。期待寿命が延び、健康に働ける期間も過去と比べて増えているだけに、定年に対する概念も変えるべきとの意見も出された。

 韓国メディア「ヘラルド経済新聞」によると、保健福祉省と国会年金改革特別委員会が8日、国民年金公団のソウル南部地域本部で「持続可能な国民年金のための専門家フォーラム」を共同開催。この場で国民年金研究院のユ・ホソン研究委員は、「保険料率を15%まで漸進的に引き上げれば、基金消尽の時期を最大2073年まで遅らせられる」と見通した。

 保険料率の引き上げは、国民年金が主張する年金改革の第一の核心だ。国民年金公団のキム・テヒョン理事長も「今の保険料率では、年金の持続可能性を確保できないという社会的共感がある」と強調した。

 受給年齢の引き上げは、実際、一部変化を見せている。現在、国民年金受給の開始年齢は満62歳だが、2033年まで段階的に、満65歳まで延長される。

 ただし、このためには所得の空白を埋める対策が必要だという声も上がっている。国民年金が支給される前まで、良質の働き口が必要になる。法的定年が60歳と規定された法は、2014年から漸進的に施行されてきた。しかし、実際の退職年齢は満49歳といわれさほど大きな変化がない。

 韓国開発研究院(KDI)のイ・テソク人口構造対応研究チーム長は「高齢労働者の勤労能力の異質性を考慮し、高齢層労働市場の質を改善する政策的な努力が必要だ。高齢層労働市場の質改善が主な政策課題になるべき」と強調した。

 現在、韓国の国民年金保険料率は9%だ。経済協力開発機構(OECD)平均の18.2%の半分水準に過ぎない。2018年国民年金4次財政計算の結果、該当制度を維持する場合、2057年には基金が枯渇する。国民年金はこれに対し、保険料率を上げて枯渇の時期を遅らせるために、そのシナリオを研究している。

 国民年金の改革について、文化日報の9日付社説では、「国会年金改革特別委員会と保健福祉省が共同主催した8日の専門家フォーラムで、改革案が提示されたのは意味あることだ」と国民年金の改革に賛成意見を示した。

 同日、ヘラルド経済新聞の社説でも、「国民年金の最終目標は、老後に生計を保障する安全弁になることだ。さまざまな年金を共に考慮した構造再調整が必要」と、公務員年金や私学年金、軍人年金など他の公的年金も改革する必要があると主張した。
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