朝鮮半島情勢が8月に重大な分水嶺を迎えている。

キム・ジョンウン の最新ニュースまとめ

 北朝鮮のキム・ジョンウン(金正恩)総書記が前面に出てきたことで、南北関係は軍事力による対峙局面に入った。米日韓台の半導体サプライチェーン同盟「チップ4」を巡り、中国のけん制も続いている。また、元徴用工問題での賠償判決に伴い、日本企業の国内資産売却手続きも差し迫った。8月は日韓関係も緊張感が高まるものとみられる。

 日米軍当局は22日から9月1日までの連合演習を政府演習〈(ウルチ)乙支演習〉と統合し、「乙支自由の盾」(UFS・乙支フリーダムシールド)として、実施することにした。先月31日、軍関係者は「国家総力戦という意味での連合演習」と説明した。

 先立って金総書記は「政権と軍全滅」を前面に出し、「強力な力により報復」すると明らかにしている。とくに米韓合同軍事演習に対して「軍事的緊張を高める行動」と非難し、「相応の代価」を警告した。

 韓国政府は北朝鮮政策のロードマップを準備中だ。しかし、北朝鮮は軍事力を再度強調しているため、対峙局面になっている。また、今月1日には新型コロナウイルス感染症と疑われる新規発熱患者数が3日間「0人」と主張、ワクチンなど人道的な交流の可能性も消えた状況だ。今後、米韓合同演習が実施された場合、北朝鮮の対応によって朝鮮半島の情勢が激しく揺れ動くという観測も出ている。

 こうした中で中国は、韓国政府の「チップ4」参加の決定を前にして、連日けん制し続けている。中国のシー・ジンピン(習近平)国家主席は28日、米国のジョー・バイデン大統領との電話会談で、「規律に反してデカップリング(分断)と、サプライチェーンを断絶することは、米国経済にも役立たない。世界経済をより一層脆弱にするだろう」と、チップ4結成の試みを批判した。韓国政府はチップ4を同盟ではないと強調し、中国のけん制をかわそうとしている。最終的に参加するかどうかは、今月中に決定されるものとみられる。

 ここに中国が反発する地上配備型ミサイル迎撃システム(THAAD)に関連して、文政権が約束した「サード3不政策」が敏感な懸案として浮上している。これに先立ち、中国外務省は尹政権に対して「サード3不政策の維持」を公開的に要求し、米国防総省と国務省は米韓同盟の決定事項だと対抗した。中韓国交正常化30周年(8月24日)を前にして、韓国のパク・ジン(朴振)外相が今月中旬、中国を訪問する時期が両国関係の重大な分水嶺になる見通しだ。

 日韓関係は現金化手続きの開始を控え、重大な試験台に上った。韓国政府は元徴用工への賠償問題を議論する民官協議会の意見を基に、今月中には解決策を提示しなければならない立場だ。朴外相は4~5日カンボジアのプノンペンで開かれる東南アジア諸国連合(ASEAN)外相会議を契機に、日韓外相会談を調整している。尹大統領が8月15日の光復節で発するメッセージ内容も日韓関係の分岐点になるものとみられる。
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