中国が防空システムをセルビアに輸出…コソボ問題抱えるバルカン半島に新たな火種(画像提供:wowkorea)
中国が防空システムをセルビアに輸出…コソボ問題抱えるバルカン半島に新たな火種(画像提供:wowkorea)
ロシアの同盟国であるセルビア共和国が今月9日、中国の防空システムを導入したことが分かった。欧米各国からは、ウクライナ戦争が続く中、バルカン半島で軍備拡張の動きが出たことに懸念の声が上がっている。

 AP通信によると、9日朝に中国空軍のY-20輸送機が6機、セルビアの首都・ベオグラードの空港に着陸した。輸送機には中国が開発した最新の防空ミサイルシステム「HQ-22」が積まれており、同日セルビア軍に受け渡されたとしている。ヨーロッパの国が中国の防空ミサイルシステムを導入するのは初めて。

 専門家によると、中国政府は今回のセルビアへの武器輸送に際し、少なくともトルコとブルガリアの領空を通過した。この両国はともに北大西洋条約機構(NATO)の加盟国であり、中国はその世界的な影響力を見せつける形となった。

 報道によると、今回セルビアに受け渡された防空システムは2019年に購入が決まっていたもの。セルビアのアレクサンダル・ヴチッチ大統領は9日に声明を発表し、今月12日と13日に同システムを公開するとしている。

 セルビアはロシアのウクライナ侵攻を非難する国連決議に賛成している。しかし、ロシアに対する制裁は拒否しており、ロシア軍による残虐行為への直接的な非難も避けている。

 欧米各国では、今回セルビアが中国から防空システムを導入したことが、バルカン半島の平和をおびやかす可能性がささやかれている。特に、2008年にセルビアからの独立を宣言したコソボ共和国は、米国など多くの国が独立を認めているのに対し、セルビア・ロシア・中国は独立を認めておらず、新たな火種となることが懸念される。
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