プーチン氏の民間人攻撃で「中国の流れに変化?」…SNSに「プーチン氏への非難・ウクライナ擁護」
2022/03/02 17:01配信
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ウクライナに全面侵攻したロシアがウクライナの民間人に対する無差別攻撃を本格化した中、中国内部で微妙な流れの変化が起きている。
中国版ツイッター”微博(ウェイボー)”など中国のSNSに、ウクライナとの友好的関係や、ウラジーミル・プーチン ロシア大統領を非難する動画が次々とあがっているためだ。
時事評論家として活動している王志安(ワン・ジーアン)元CCTV(中国中央テレビ)記者は、きのう(1日)ウェイボーにあげた動画を通じて「この30年間における中国の飛躍的な軍事力増強には、ウクライナの助けがあった」と伝えた。
王氏は「軍需産業が発達したウクライナは、空母・ホバークラフト・大型輸送機・航空機エンジンなどを中国に売却し、数千人の技術者を派遣し中国を支援してきた」とし「ウクライナは技術をお金に換えたのだが、中国が大きな恵沢を受けたのは事実だ」と紹介した。
親戚の子どもがウクライナに留学している、あるネットユーザーはウェイボーに「ウクライナの住宅管理人が子どもたちのいる場所の周りを毎日巡回し、安全な場所に避難させたと聞いた」と伝えた。
つづけて「ウクライナのおばさんは食材が不足な状況で、自分は食べず子どもたちに食糧を与えている」とし「情勢は不安だが、善良なウクライナ人たちと出会った」と感謝を伝えた。
また別のネットユーザーはプーチン大統領に対して「彼は好戦的な人物だ。彼はややもすると全ての人を死地に追いやる恐れがある」と非難する内容をウェイボーにあげた。
つづけて「この “時限爆弾”を無条件支持することは正常なことなのか」として、ロシアのウクライナ侵攻に肩を持つ中国のネットユーザーたちも非難した。
他のネットユーザーは「侵略戦争が正当化され得るのか」とし「ロシアがもし負けなければ、人類は第2次世界大戦以前の弱肉強食の時代へと逆戻りすることになるが、そのようになってもいいのか」と訴えた。
一方、中国政府の論調にも変化が読み取れる。
中国外務省の報道官はきのうの定例会見で、ロシアのウクライナ侵攻により発生した民間人の人命被害について「遺憾」を表明した。
報道官は「中国は、死傷状況に対して遺憾に思う」とし「民間人の生命と財産・安全が効果的に保障されなければならず、大規模な人道主義の危機が発生しないようにしなければならない」と強調した。
先月24日のロシアによるウクライナ侵攻以降、中国が遺憾の立場を明らかにしたのは、今回が初めてである。
中国による今回の変化は、ロシアをかばう態度を示してきたことに対する国際社会の世論が悪化したことに加え、ウクライナ内の反中情緒の拡散により現地中国人たちが攻撃を受けるなど、苦しい立場に立たされたことによるものだとみられる。
中国は公式的に「ウクライナとロシアのどちら側にもつかない」という中立的な態度を示してきたが、国連安全保障理事会の対露糾弾決議の評決で「棄権」し、ロシアに対する非難を自制することで、「事実上ロシアをかばっている」という国際社会の非難の世論が拡散した。
さらに、ウクライナ人たちの反中感情が高まったことで、現地中国人たちが攻撃を受ける事例も次々と発生している。