感染者のセルフ治療… 限界を迎えたK防疫=韓国(画像提供:wowkorea)
感染者のセルフ治療… 限界を迎えたK防疫=韓国(画像提供:wowkorea)
韓国政府は10日から、無症状者や軽症者が自ら管理する「在宅セルフ治療」を実施しているが、十分に稼動せず混乱が生じているという。韓国大統領選に出馬している野党3候補も、与党のコロナ防疫政策には落第点をつけた。現在の医療システムでは、在宅治療を管理できる数にも限りがあり、K防疫の限界が見えだしている。

 韓国政府はこれまで、新型コロナの新種株が拡散すると、その都度新しい防疫政策を打ち出してきた。しかし、今回のオミクロン株では感染者が減らないことで、政府の対応にも混乱が生じている。地方自治体との事前調整も不十分で、協力体制の不備もみられる。需要が急増している抗原検査キットの価格も急騰し、買い占めや品薄現象が続いている。それにもかかわらず、最初は供給物量が十分だと手をこまねいていた。

 後手に出ている韓国政府の防疫政策について、与野党の評価は分かれた。

 11日、韓国メディアのニューシスによると、与党「共に民主党」のイ・ジェミョン(李在明)候補を除く野党3候補は、文政権のコロナ防疫政策に対して落第点を与えた。

 11日、ソウル・チュン(中)区にある毎経メディアセンターで開かれた韓国記者協会主催の大統領選候補招請討論会で、アン・チョルス(安哲秀)国民の党大統領候補が李候補に「文政権のコロナ防疫は成功か、失敗か」と問うと、李候補は「不足する点はあるが、今まで見てきたところでは、よくやっていると思う。ただ、これからは、少し変わらなければならない」と答えた。

 安候補は「疾病管理庁があるのに、大統領府に防疫のコントロールタワーを置くべきなのか」と問い詰めた。

 保守系野党「国民の力」のユン・ソンニョル(尹錫悦)候補も「李候補が政府のK防疫は成功したと言ったが、私はまったくそう思っていない」と対立した。

「ひとつは、安候補が言った通りに、専門家の話を聞かなかったということ」とし、「多くの専門家が6回にわたり、中国人の入国を止めろと政府に懇願したが、すべて無視された」と指摘した。続いて「また、まったくデータ管理ができなかった。どんぶり勘定式の防疫だ」と批判した。

 正義党のシム・サンジョン候補は「(オミクロンの大流行は)2か月前から予告されていた。しかし、防疫システムも突然変わった。準備がまったくできていなかったようだ」とし、「そしてまともな説明もない。そのため、国民は今、ほとんどパニック状態に陥っている。今日、さまざまな対策が追加で発表されたが、物足りないと思う」と皮肉った。

 キョンヒャン(京郷)新聞の11日付社説では、今後のコロナ対策についてこう指摘している。

 感染者が増えている状況で、重症化リスクの多い層を集中管理する方向に防疫システムを転換するのは避けられない。問題は、リスクの多い層だけでなく、在宅治療する市民もケアしなければならないということだ。同日午前0時時点での在宅治療者数は、感染者の90%に上る17万7014人だ。現在の医療インフラで、19万2000人の在宅治療が可能だが、これも近いうちに限界に達する。在宅治療の患者が不安にならずに、治療が受けられるシステムを構築するのが急務だ。抗原検査キットの配布や流通に混乱が生じてもならない。政府の準備不足のために、市民が苦しむことが二度とあってはならない。
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