“材料汚染”のキオクシア、NAND生産に支障…サムスンとSKが恩恵を受けるか=韓国報道(画像提供:wowkorea)
“材料汚染”のキオクシア、NAND生産に支障…サムスンとSKが恩恵を受けるか=韓国報道(画像提供:wowkorea)
日本のキオクシアと米国のウェスタンデジタル(Western Digital)が共同運営するNAND型フラッシュメモリの工場2か所の稼動が中断され、NAND型フラッシュメモリ価格が反発する可能性が提起されている。当初の今年第2四半期からは(価格が)下落するという見通しが変わったことにより、サムスン電子とSKハイニックスが恩恵を受ける可能性があるという見通しだ。

 業界によると11日(きょう)、ウエスタンデジタルとキオクシアが合弁で設立した四日市工場と北上工場の2か所でNAND形フラッシュメモリの材料汚染が発生したため、工場の稼働を9日から中断しているという。

 業界では昨年に上昇が続いたNAND型フラッシュメモリの価格について、今年は8~13%程度下落するとの見通しを示していたが、今回の事故で需給に変数が生じ、価格にも影響を及ぼすと見ている。

 市場調査会社の「トレンドフォース」は報告書で「この事件前、NAND型フラッシュメモリ市場が1年を通して若干の供給過剰を見せると予想し、今年の第1~2四半期の平均価格が下落圧力に直面すると予測した」としながらも、「材料汚染が深刻なだけでなく、サムスン電子の西安工場の封鎖期間にNAND型フラッシュメモリ価格の下落幅が引き延ばされたのを見ると、今年1~3月期の価格下落幅は5~10%に縮小する」と予想した

 続いて、トレンドフォースは「損傷したビットは今年1~3月期の生産量の13%、今年全体の約3%を占める水準」だとし、「今回の事件の影響で今年4~6月期のNAND型フラッシュメモリの価格が5~10%急騰する可能性がある」と説明した。

 これに先立って、キオクシアは会社のホームページを通じて「3次元NAND型フラッシュメモリの生産に部分的に影響を及ぼした」という程度の内容だけを発表した。同社は「早期に正常運営状態に復旧するために必要な措置を施行中」であるとし、「2次元NAND型フラッシュメモリの出荷には影響を及ぼさないものと予想する」と説明した。ウェスタンデジタルも報道資料を通じて「6.5エクサバイト規模の生産が減少するだろう」と状況を説明した。

 汚染した材料や正常稼動の予想時期など具体的な内容は公開しなかったが、業界では汚染問題を解決するまで相当な時間がかかるものと見ている。

 野村證券は報告書を通じて「汚染された材料、部品を直ちに交換できる材料供給業者の限られた在庫を考慮すると、汚染問題を2週間以内に解決できるかは不確実だ」と分析した。最悪の場合、約3か月の時間がかかるという分析も出ている。

 キオクシアとウェスタンデジタルはPC企業向けソリッドステートドライブ(SSD)と内蔵型マルチメディアカード(eMMC)製品を供給している。NAND型フラッシュメモリ市場において、キオクシアは年間基準でサムスン電子(34.5%)に次いで19%相当のシェアを占める2位企業だ。ウェスタンデジタルはSKハイニックス(13.5%)と13%前後の似たシェアを占める4位圏メーカーだ。

 今回の事故がNAND型フラッシュメモリを生産する韓国企業のサムスン電子とSKハイニックスに好材料として働きかねないという見通しも出ている。NAND型フラッシュメモリの需給が遅れ、顧客会社が在庫を蓄えようとする可能性が高くなるからだ。NAND型フラッシュメモリ市場のシェア1位であるサムスン電子に続き、SKハイニックスの場合、インテルのNAND型フラッシュメモリ事業部の買収手続きを終えれば、キオクシアを抜いて2位に躍進することになる。

 業界関係者は「NAND型フラッシュメモリ生産への支障状況が顧客企業の在庫蓄積需要につながる可能性がある」とし、「事故などのイベントで供給量が減れば、需要と供給によって価格が上がるしかない。メモリー半導体生産の割合が高いサムスン電子、SKハイニックスが恩恵を受ける可能性が高い」と分析した。
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