地球環境改善物質として注目を集めるバイオ炭…土壌の酸性化を防ぎ、廃プラスチックまで分解=韓国報道(画像提供:wowkorea)
地球環境改善物質として注目を集めるバイオ炭…土壌の酸性化を防ぎ、廃プラスチックまで分解=韓国報道(画像提供:wowkorea)
世界的に温室効果ガス排出問題が深刻化するにともない、「バイオ炭」が注目されている。 バイオ炭は炭素の排出量を減らすのに優れた効果があり、気候による世界危機を遅らせることのできる物質として関心を集めている。

イオン の最新ニュースまとめ

31日、韓国の産業通商資源部(部は日本の省にあたる)や農林畜産食品部などによると、廃棄された木材や動物の排泄物、木の葉のように捨てられる有機物のバイオマスが土壌に生息する微生物によって分解され、温室効果ガスを大気中に排出するのとは違い、バイオ炭は空気中に放出される温室効果ガスの量を減らしてくれるという。

バイオ炭(バイオチャーとも)はバイオマス(biomass)と炭(charcoal)の合成語だ。木材や植物の残滓(ざんし)を酸素がほとんどない条件下で350℃以上の高温で熱分解させると黒い物質が生成されるが、これがバイオ炭だ。

見かけは一般的な炭と区別できないほど似ているが、温室効果ガスを減らし、土壌の質を改善してくれるなど地球環境改善に役立つ。特にバイオ炭を農業に活用すれば、炭素とメタン、亜酸化窒素の排出量を減らすことに貢献してくれる。農耕地にもみ殻を原料としたバイオ炭を1トンまくと、約1044トンの二酸化炭素が削減できる。

バイオ炭は炭素の排出量削減だけでなく、土壌改善にも役立つ。韓国は化学肥料の使用による土壌の酸性化が深刻だ。水素イオン濃度(pH)が下がり、土壌が酸性化すると、土壌の養分を奪い、毒性金属物質の濃度が増加し、植物や樹木の成長に悪影響を及ぼす。

これを防止するために、もみ殻バイオ炭、豚糞堆肥、肥料成分を混合したバイオ炭ペレットで稲を栽培するなど代替剤を幅広く使用している。特にバイオ炭は土壌の酸性化を防止するのに卓越した効果がある。一般的に土壌を改良する時に使われる石灰より30%以上水素イオン濃度が改善されることが分かった。また、バイオ炭は土壌中の栄養分を吸着して植物が養分を吸収しやすいようにし、微生物の生息環境を提供して生産性を高める役割も担う。

このように、バイオ炭は炭素の排出量を減らしながら土壌の生態系によい影響を与える一石二鳥の物質という点で、米オバマ政権当時の気候政策顧問として活動したダニエル・カーメンUCバークレー大学教授は、バイオ炭を最も優秀な炭素排出量低減技術と評価している。

バイオ炭の技術が最近急増している廃資源の削減に利用される日も近い。新型コロナウイルス発生以降、配達など非対面消費が増え、捨てられるプラスチックとビニールの排出量が急増した。コリョ(高麗)大学環境生態工学科のオク・ヨンシク教授は、このような廃棄物の分解にもバイオ炭を利用できるという研究結果を発表した。廃資源で作ったバイオ炭を人工土壌に作りかえて従来の土壌に混ぜると、埋められていた廃棄物の分解が早まることが分かった。この技術が商用化されれば、環境問題の改善に役立つものとみられている。
Copyrights(C) Edaily wowkorea.jp 107