北朝鮮、従来の路線を維持し、国内問題の解決に重点を置く=韓国統一部(画像提供:wowkorea)
北朝鮮、従来の路線を維持し、国内問題の解決に重点を置く=韓国統一部(画像提供:wowkorea)
韓国統一部(省に相当)は1日、北朝鮮が今後もこれまでの路線を維持し、国内情勢の安定に力を入れるものとの見方を示した。

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 統一部はこの日、「朝鮮労働党中央委員会第8期第4回全員会議」の分析を通じ、北朝鮮が「厳しい状況の中で、5カ年計画1年目の成果を誇示し、これを基に従来の路線を維持するだろう」と予測した。

 北朝鮮が対米・対南事業など国外に向けたメッセージはもちろん、核や戦略兵器に関する言及は控え、経済や農村などの国内問題に集中したと統一部は分析した。

 統一部は今回の全体会議が、昨年初頭の第8回党大会などで出た批判的な評価よりは、成果を強調する雰囲気だったことに注目した。「全般的に第8回党大会で提示した経済、人民生活の改善など、国内問題の解決に重きを置いた」と見ている。

 その根拠としてはキム・ジョンウン(金正恩)総書記が、2021年を「北朝鮮の社会主義建設史に特記する、誇りに満ちた勝利の年」と評価し、今年の基本課題として「人民生活ではっきりと改変を成し遂げること」と語ったことをあげた。

 パク・ジョングン内閣副首相兼国家計画委員長が、政治局の委員に昇進したことも「経済分野の成果を反映した人事」との見方だ。

 具体的な国外メッセージがなかった点については「流動的な国際情勢の下で状況に応じた対処方針を樹立し、重要な問題が起こればメッセージを発するだろう」と予想した。

 また、独自計画による国家防衛力の強化を強調したにもかかわらず、核と戦略兵器について、何も言わなかったことに注目する必要があると判断した。

 北朝鮮が「社会主義における農村問題の解決」を議題にしたことは、「農民を配慮し、農業投資を増やすこと」とし、「食糧増産のための肥料など、外部原資材導入の需要は今なお残っている」と説明した。

 また、「今後、北朝鮮は今回の全員会議で決定した業務を進めるために、社会的学習と運動を展開する一方、分野別・単位別の細部執行計画を練るだろう」と予想した。

 統一部は「韓国政府は現時点が朝鮮半島の平和のために、新たな転機を迎えなければならない重要な時期であると認識する」とし、「朝鮮半島の平和を実質的に進展させる議論がなされるよう、一貫して努力していく」と明らかにした。

 一方、北朝鮮は先月27~31日、過去最長となる5日間の全員会議を開き、今年の国政運営について意見を交わした。その結果をこの日、朝鮮中央通信などの官営メディアを通じて公開した。

 分科会議を通じて、対米・対南事業の方向についても議論したが、詳細内容は隠したまま、金総書記が「多事多変な国際政治情勢と周辺環境に対処して、韓国との関係や国外事業において守るべき原則的な方針と戦術的方向性を提示した」とだけ明らかにした。

 その代わり、新型コロナの防疫を最優先国家事業にした点や、農民の負債解消、食生活の向上など、経済や農業分野の事業計画は詳しく紹介した。

 韓国の大統領直属諮問機構である民主平和統一諮問会議(民主平統)は、全員会議の内容を専門家が調べた結果、「2022年にはキム・イルソン(金日成)生誕110周年、キム・ジョンイル(金正日)生誕80周年などの行事が集中しているため、国内事業に重点を置くだろう」という分析があったと明らかにした。

 民主平統は、議長の文大統領に「南北のコロナ防疫状況を考慮して、南北間で多様なテレビ会議を開催する、能動的な対北朝鮮政策が必要だという専門家の意見を政策として提案した」と伝えた。
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