五里霧中のオミクロン株、全国への感染拡大懸念 = 韓国(画像提供:wowkorea)
五里霧中のオミクロン株、全国への感染拡大懸念 = 韓国(画像提供:wowkorea)
新型コロナウイルスの感染者は5000人半ばまで減り、新型コロナウイルスの急増ぶりは一段落した。しかし、オミクロン株が全国に広がり、深刻な状況だ。専門家らは「高齢者層の割合が高い韓国国内でオミクロン株が広がれば、死亡者が急増する可能性がある」と警告している。

 26日、中央防疫対策本部によると、この日の新型コロナウイルスの新規感染者は5419人確認された(午前0時基準)。週末の検査件数の減少が大きく影響し、先月の「ウィズコロナ」(段階的日常回復)転換以降、最大7850人(今月15日)とうなぎのぼりだった急増ぶりは、ひとまず防いだという評価だ。

 問題は、オミクロン株が全国に広がっていることだ。この日、国内のオミクロン株の感染者は海外流入23人、国内感染10人など33人に増え、累計376人(国内215人、海外161人)となっている。

 さらに大きな問題は、感染経路不明の増加だ。この日、最初の感染経路が確認できなかった、チョルラプクド(全羅北道)イクサン(益山)幼稚園、カンウォン(江原)の食堂、キョンサンナムド(慶尚南道)コジェ(巨済)市の事例以外にも国内で散発的な感染事例が5件確認された。初期の国内オミクロン株の関連事例のインチョン(仁川)ミチュホル(弥鄒忽)区の教会、イランから来韓したアフガニスタン国籍の留学生関連などとは対照的だ。

 ひとまず、デルタ株より感染力が強いとされるオミクロン株が優勢種になるだろうということに異論はない。23日(以下現地時間)、科学ジャーナル「ネイチャー」に掲載された論文によると、2回目の接種を終えた場合でも、オミクロン株を中和する抗体効能は非常に低いそうだ。

 ポルトガルの保健局はこの日、新型コロナウイルスの新規感染者の61.5%(今月22日基準)が、オミクロン株であることが確認されたと明らかにした。 また、米国疾病統制予防センター(CDC)も20日(現地時間)、米国内の新型コロナウイルスの新規感染者の73%がオミクロン株に感染していることが確認されたと発表した。

 韓国国内でも1、2か月後にはオミクロンが優勢種になるだろうというのが大方の予想だ。特に30日から全国の自治体にオミクロン株を3、4時間で判別できる「オミクロン株PCR試薬」が配布されれば、その数はさらに増える見通しだ。これまでのところ、オミクロン株の検査は一部の確定検体を対象に3日から5日かかる「遺伝子解析」を通じて行われている。

 致死率が低いことは幸いだ。防疫当局はこの日、「これまでのところ国内のオミクロン株の感染者のうち死者はいない」と明らかにした。インドの保健局が24日、183件のオミクロン株の感染事例を分析した結果、70%ほどが無症状であった。この他、南アフリカ共和国、英国もオミクロンがデルタよりも危険性は低いという結果を発表した。

 ただ、人口比ハイリスク群である高齢層の割合が16%に達する国内で、オミクロン株の大規模な感染拡大が起これば、状況が一変するかもしれないという見方が出ている。カチョン(嘉泉)大学 キル(吉)病院感染内科のサム・ハンシク教授は「オミクロン株が初期の新型コロナウイルスの変異株より致死率が低いわけではないだろう。外国と違い高齢層の割合が高い韓国で、大規模な感染拡大が起きると死亡者が急増するかもしれない」と懸念を示した。
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