客足は戻って来たが…厨房とホールのアルバイト戻らず=韓国報道(画像提供:wowkorea)
客足は戻って来たが…厨房とホールのアルバイト戻らず=韓国報道(画像提供:wowkorea)
ソウル市ソデムン(西大門)区で豚足屋を年中無休で経営するAさんは、しばらくの間週末営業をしないことに決めた。働き手が見つからないためだ。Aさんは「ホールサービング、厨房補助などスタッフたちはその多くが中国人だが、新型コロナ禍で全員中国に帰っていて、韓国人のアルバイトを見つけるのは至難の業」と話し、「当分の間、週末は営業ができない状況」と語った。

自営業者らが想定外の「ウィズコロナの逆襲」に直面している。新型コロナ禍以降、節約して人件費を減らしてきたが、今度は求人難に悩まされているためだ。ウィズコロナ以降押し寄せる客に対応するために求人公告を出しても、人手を確保するのは容易ではない。ソウル市ソンドン(城東)区で焼肉店を経営するパクさん(51)は「時給を上げ続けているにもかかわらず、アルバイトを確保するのが難しい」とため息をついた。

求人・求職媒体「アルバイト天国」によると、今年1~10月にアルバイト天国に登録されたアルバイト求人公告の数は、前年同期に比べ47.3%増加した。一方、同期間のアルバイト労働者は前年同期に比べ9.3%減少した。

アルバイトが減った分の仕事は経営者が直接負担している。統計庁の「10月の雇用動向」によると、1人で働く自営業者は前月より4万5000人増え425万6000人と集計された。反面、従業員を抱えている自営業者は131万3000人で、前月比2万6000人減少した。

ヨンセ(延世)大学経済学科のソン・テユン(成泰胤)教授は「自営業者や中小企業の求人難はウィズコロナ以前から兆しが出始めていた」と語り、「ウィズコロナ以降はこうした現象がさらに深刻化したようだ」と述べた。

「ウィズコロナの逆襲」が端的に現れたもう一つの分野はタクシー・代行運転業界だ。11月以降の深夜、都心の繁華街では、人々がタクシーを拾うために車道まで出て手を振る姿を多く目にすることができる。食堂、居酒屋などの営業、人員制限が緩和され、夜の街に人が殺到したが、彼らを乗せるタクシーがなく不便な状況が起きている。その理由は、新型コロナウィルス感染拡大の長期化によりタクシー運転手らが業界を離れたためだ。全国タクシー運送事業組合連合会によると、法人タクシーの運転手は新型コロナ禍前の19年12月と比べ、約2万5000人あまり減少したことが分かった。

10年間タクシー運転手を続けているチョンさん(61)は「夜明けに配車電話が殺到するが、その客を乗せるタクシー運転手がいない」と話し、「会社の駐車場にはタクシーが数十台エンジンもかけられずにただ置かれたままだ。運転手がいないため車両が運用できずにいる」と語った。

50代のタクシー運転手のイさんは「新型コロナ禍でお金を稼げないから、同僚が昨年タクシー運転手を辞めて配達をすると言って去って行った」と話し、「実際にやってみたらそっちの方がずっと良かったようで戻って来ない」と話した。全国タクシー労働組合連盟のイム・ボンギュン事務所長は「深夜に集中的に忙しい時間帯があるのに、運転手が新型コロナの影響で大勢職場を離れた状況なので困っている」と語り、「現在タクシー業界は厳しい。新しい人も入って来ないし、出て行った人も戻って来ない状況」と説明した。

代行運転業界も状況は似ている。キム・ジョンヨン全国代行運転手協会長は「新型コロナ禍で食堂と居酒屋が閉店し、代行運転手も直撃を受けた」と語り、「代行運転手がかなり減少したものと見られる」と述べた。

タクシーや代行運転手の需要が減りって「帰宅騒動」が起こり、飲酒運転をする人が急増しているとみられる。警察によると、ウィズコロナが開始された今月1日から14日までの飲酒運転集中取締りの摘発件数は計5466件。ウィズコロナ施行後、1日平均の飲酒運転摘発件数は約390件で、今年1~9月末の1日平均の摘発件数309件に比べ80件以上増加した。

専門家らは新型コロナ禍以降労働市場が急変し、このような現象が発生していると分析している。求職者が働いた分だけ賃金を受け取ることのできるプラットフォームが形成され、従前の労働市場の求職者が減少したためだ。

ハンソン(漢城)大経済学部のキム・サンボン教授は「非対面から対面に転換したことで労働市場に大きな変化が生じた。他の国も韓国と似たような状況だ」と語り、「時間が経って新型コロナ禍が終息しても、キオスクなどでは人間の仕事を機械が代わってする時代が来るだろう」と分析した。
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