韓国政府、電力不足解消のため今月中に原発3基を早期稼働(画像提供:wowkorea)
韓国政府、電力不足解消のため今月中に原発3基を早期稼働(画像提供:wowkorea)
電力難を憂慮した韓国政府が、予防整備で停止中の原発3基を今月中に早期稼働することを決めた。現在、整備中の原発を再稼動して供給を増やすこと以外に、追加で電力を供給する方法がままならないからだ。

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 キム・ブギョム(金富謙)首相は19日、大統領府で行われた定例会合の席で、ムン・ジェイン(文在寅)大統領に「今週、予備電力が最低レベルになると予測される。整備中の原発を早期稼働し、需要管理に積極的に乗り出す」と報告した。政府は、電力ピーク時間帯の石炭火力発電も100%稼動することにした。突発状況に備えるための境界線である「予備力10GW・予備率10%」が脅かされているという判断からだ。

 産業通商資源部(産資部)と原子力安全委員会(原安委)は19日、計画予防整備などで停止中だった原発3基を今月、順次再稼動する計画だと明らかにした。新月城1号機(1000メガワット)は16日に原安委の承認を獲得し、18日から電力供給を始めている。21日には100%の出力に到達する。タービン周辺設備の火災で停止していた新古里4号機(1400メガワット)は21日、月城3号機(700メガワット)は23日、原案委の再稼働承認をへて電力供給を始める予定だ。

 産資部の関係者は「原発3基が再稼働すれば、7月の第4週目は先週より2150メガワットの原発電力を追加供給できる」とし、「夏場の電力需給に役立つものと期待している」と述べた。

 韓国政府は、新月城1号機の早期再稼動に続き、石炭火力発電機の出力上限制限を緩和し、一時的にピーク時間帯の100%出力も認めた。

 電力業界では、政府が可用資源を総動員するほど、状況は緊迫していると見ている。電力業界の関係者は「政府が原発3基を早期再稼働したのに続き、老朽化で80%の出力に制限していた石炭発電機を一時的に解除することは、それだけ現在の電力需給が非常段階にあることを意味する」と述べた。

 最も憂慮されるのは、現在稼動中の発電所が故障などで発電を中断した時だ。現在、使用可能な発電所をフル稼働している状況なのに、故障で止まってしまえば、予備力の確保に深刻な問題が生じざるを得ない。

 政府はこのような状況を考慮し、8.8GWの追加予備資源を確保し、備える方針だ。これに先立って稼動を開始した新月城1号機を含め、予防整備中の釜山複合4号機や高城ハイ2号機の試運転日程を電力ピーク週間に調整し供給量を増やす。また、太陽光を通じて電気を充電したESSの放電時間を、電力ピーク発生時間に変更することにした。

 嘉泉大学のイ・チャンホ教授は「気候に敏感に反応する需要の属性上、猛暑が続くと電力需要管理を楽観することはできない」とし、「再生エネルギーは発電の特性上、容量が増えてもピーク時には供給安定に大きく寄与できない上、大規模貯蔵技術の商用化もまだ時間が必要だ。原発や火力発電で予期せぬ故障停止などを考えると、当分の間はこれまでの発電設備を予備力資源として活用すべきだ」と述べた。
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