鄭義溶、外交部長官(画像提供:wowkorea)
鄭義溶、外交部長官(画像提供:wowkorea)
韓国のチョン・ウィヨン(鄭義溶)外交部長官が21日「困っている時の友だちが本当の友だち」と述べ、米国側にコロナワクチンに対する支援を要請した事実を確認した。米韓間で進められた非公開外交対話を韓国側が先に公開するのは異例のことだ。5月の米韓首脳会談を控え、ワクチン外交を成功させるために強気に出たものと見られる。鄭長官は「米国から国内事情はまだかなり厳しいという回答を受けた」とし、事実上支援を断った事実も公開した。

鄭長官はこの日、ソウル市のプレスセンターで開かれたクァンフン(寛勲)討論会で「スワップとは概念よりお互いに困難な時に支援する次元で米国と協議中」と述べた。‘ギブアンドテイク’の概念ではなく、同盟国である韓国に対する友情を見せてほしいということだ。

これに先立ち鄭長官は20日、国会外交統一委員会で‘ワクチンスワップ’(相互交換)の可能性を初めて取り上げた。ただし、現実的に韓国には保有しているワクチンがない状況で、先にワクチンを受け取り、それを後で返すスワップがどうして可能なのかという指摘が出た。

鄭長官は「韓国側の支援要請に対して米国は6月までに集団免疫を達成することを目標にしており、そのためにワクチン備蓄分には余裕がないと説明した」と明らかにした。さらに「コロナ事態の初期に、我が国は米韓同盟という両国間の特別関係を勘案し、国内需給が十分でない状況でも米国政府の要請により、診断キットとマスクを空輸して米国側に渡した」とし「こうした事情を米国側に説明し、困っている時の友だちが本当の友だちだと強調している」と述べた。

鄭長官は米国のワクチン支援はクワッド(米国・インド・日本・オーストラリア協議体)参加など、外交的事案と結び付ける事案ではないという点も明確にした。5月の米韓首脳会談を控え、国内の一部では「クワッド加入に連係すべきだ」(パク・ジン(朴振)国民の力議員など)という主張が出ている。鄭長官は「米韓同盟の強化、北朝鮮の非核化問題、米中の対立についての韓国の立場などとワクチン分野の協力は全く関連がない」と述べた。

ただし、鄭長官は反対給付ではなく、米韓間の協力強化の次元で米国政府が関心のあるグローバル供給網再編に韓国が支援することができるとの余地を残した。韓国が技術的優位を占めている半導体生産能力は米中技術覇権戦争で勝利するために必須の要素だ。米国のバイデン大統領は最近、サムスン電子やインテルなどと行ったオンライン半導体対策会議で、米国内の半導体投資を直接取り上げた。米韓首脳会談でもグローバルサプライチェーン再編のための米韓協力案が議題に設定されるものと見られる。

鄭長官は「こうした協力は民間企業が主導するものであるため、政府が前面に出て米国側との協議対象にすることはできない」としながらも「韓国企業は非常に賢明な判断をしていると見ており、私が聞く限りでは確定していないが、相当規模の対米投資などを構想しているとのことだ」と述べた。続いて「民間分野での協力拡大は米国に対し、韓国にワクチンと関連して支援しなければならないという世論形成につながると思う」と付け加えた。

鄭長官のこの日の発言について米国務省は「我々は非公開の外交的対話の詳細事項については言及しない」と答えた。ワクチン関連の対話が交わされたことを否定してはいないという意味である。

Copyrights(C) Edaily wowkorea.jp 83