韓国のムン・ジェイン(文在寅)大統領が「三一節」(3・1独立運動記念日)の記念挨拶で「我が国の政府はいつでも日本政府と向き合い対話を交わす準備が出来ている」と語った。また、「易地思之(相手の立場に立って考える)の姿勢で額を寄せ合って相談すれば、過去の問題もいくらでも賢明に解決しうるだろう」とも語った。

続いて「両国の協力は北東アジアの安全と韓米日の三国協力にも寄与するだろう」と語ると同時に「ポスト・コロナ時代を一緒に準備していかなければならない時だ」と付け加えた。

文大統領の対日関連発言は過去史問題と将来の協力について分離して対応しようという既存の「ツートラック」基調を抜け出していない。しかし、二つの点で大きな変化が読める。

一つ目は、過去の「日本政府の謝罪を要求し」(2018年3月1日)、「親日残滓清算はとても長期間先送りしておいた宿題」(2019年3月1日)に比べ、和解メッセージを盛り込んでいることだ。

もう一点は日本と韓国との関係を「分業構造」と表現し「過去に足を引っ張られない」と言い、未来志向的な協力強化に強調点を置いたことだ。

メッセージは穏やかになったというが、両国関係の急速な改善は期待しがたいだろうというのが正直な評価だ。記念挨拶には旧日本軍慰安婦および徴用工への賠償判決など、日韓関係の行き詰まりの最大懸案などに対する具体的な解決策が盛り込まれていない。

去る1月の新年の大統領記者会見で示した宥和的メッセージを後押しする外交的解決法や、追加的な代案もまたなかった。

1月に赴任したカン・チャンイル(姜昌一)駐日韓国大使がまだ、日本の茂木敏充外務大臣に会えないほど、もつれにもつれた「日韓の方程式」が和解メッセージでたちまち解けるのか、疑問でしかない。

日韓関係回復はこれ以上は先送りできない至急な課題だ。ジョー・バイデン大統領の米国新政権が東北アジア秩序の再編の昨今、日米韓の三角協力を正常軌道に戻すための努力に拍車をかけている状況で、日韓関係を現在のように放置したならば、韓国の外交安保および経済的な立ち位置は、進むにつれて委縮する可能性が大きい。

専門家らからはすでに「基金作り」や「代位弁済」の為の立法、および「外交的大妥協」など、アイディアが出て来ている。一連の裁判の結果が出た時に、急いでおいたならば、或いは2015年に前政権が結んだ日韓合意を否定しなかったならば、十分回避できる問題だった。

文大統領と政権はこれらの見解を耳と心を開いて実践に移すのみだ。過去の事に対する憤怒と批判のみが外交の中心であっては困る。日韓両国の共通の実益が何より優先されるべきである。

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