<W解説>日本左派の「きれいな原発・核兵器」と同じ=韓国の北朝鮮支援は原発建設まで

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2021/02/13 12:33配信
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「きれいな原発・核兵器」という表現をご存じだろうか。

 1960年代以降、中国の核開発成功、核実験などを背景に、日本の反核・反原発の運動において左派勢力が日本を含む西側陣営の原発・核兵器のみを否定し、中ソのそれを肯定した姿勢を見せていた時代の言葉だ。つまり、左派は中ソや東側の原発・核兵器を「きれいな原発・核兵器」と見ていると、揶揄した際に用いられた言葉なのだ。

 だが「きれいな~」と言った表現は公式的には用いなかったものの、日本の左派が中ソの核兵器は米国の帝国主義的侵略と核兵器独占に対抗する防御的な手段であり、戦争・侵略を防ぐ平和の手段だとして、中ソの核実験を含む原発・核兵器を肯定して来たのは事実だ。

 韓国の東南部地域、日本とも近いウォルソン(月城)原発1号機の廃炉を始めとした脱原発政策を公約として掲げて当選したムン・ジェイン(文在寅)大統領。当然の事ながら、電力・エネルギーの供給確保や代替手段の経済性について国家を挙げて検討するのが求められた。

 そこで文政権の発足後、韓国の産業通商資源部(日本の経済産業省に相当)はその評価や検討について着手したものの、政治的圧力によって末端官僚への暴言・暴力・脅迫まで生じ、歪曲捏造された結果報告がなされたのではないかと言う疑惑が指摘されて来たのだ。

 そこで監査院(日本の会計検査院に相当)が2019年12月に監査に着手したのだが、産業通商資源部の二人の官僚公務員が関連文書を深夜にこっそり削除廃棄しようとしたのだ。しかも驚くべきなのは、その後の捜査過程で明らかになったのが、月城原発1号機を巡る経済性評価の歪曲捏造だけでなく、産業通商資源部による「南北協力事業」として、北朝鮮に原発を建設すると言った文書まで削除廃棄の対象となっていたのだ。

 産業通商資源部は「検察に拘束された産業通商資源部の公務員が削除した北朝鮮原発関連文書のファイルは内部検討の段階」「南北協力段階でのアイディア用として検討された」と弁明し、文書削除理由については「現在進行中の裁判に影響を与えうる」と言い、別途の説明をしなかった。

 そして当該の官僚公務員二名の外、今月4日には当時の産業通商資源部長官だったペク・ウンギュ(白雲揆)前長官も逮捕状が請求され、棄却されたものの、捜査は続いている。文大統領が北朝鮮のキム・ジョンウン(金正恩)委員長と対面していた時、原発関連文書をUSBメモリに入れて渡したとの噂まで広まっているほどだ。もしこれが事実ならば、文大統領の退任後に大問題となる可能性も出てくる。

 そもそも、文在寅政権下の韓国国内では、こうした公文書の歪曲捏造や違法廃棄削除まで駆使して、月城原発1号機の廃炉を始めとした脱原発を強行しようとしている。ところが南北協力の為とは言え、その脱原発を強行している産業通商資源部が、同時に北朝鮮に数十兆ウォン規模の原発新設を検討・推進していたと言うのは、韓国国内でも公文書を巡る違法行為と並んで様々な疑惑を招いている。

 そこで思い出させられたのが、「きれいな原発・核兵器」という表現だ。文在寅を始めとした脱原発に関わる政権高官らは、韓国の原発は「汚い」ものだが、北朝鮮の原発・核兵器は「きれい」なものだと真剣に考えているのではないか。

 事実、米国を始めとした関係各国が北朝鮮に核兵器と核開発の放棄を求めて制裁を強化・維持しているものの、文在寅政権の対北政策において、核の放棄は優先順位が低いのは公然の事実であり、朝鮮戦争の終戦、北朝鮮との平和で友好的な関係性の方が重要だとして、米国との交渉でいつも衝突したり、不協和音を奏でたりしている。

 しかし北朝鮮の原発・核兵器は「きれい」なものだと真剣に考えているからこそ、核開発・核兵器にせよ、原発にせよ、北朝鮮に対して穏健な態度を抱けるのではないか。

 かつて韓国駐在の日本大使を務めた武藤正敏氏は、大統領になる前の文在寅大統領と面談した際、彼の頭の中には北朝鮮しか存在せず、対米政策、対日政策等を含む全ての政策が北朝鮮との関係の従属変数になっていると言った感じの論評を出した。

 冷戦下の日本の左派勢力も、頭の中にはソ連を盟主とした共産諸国しか存在せず、あらゆる政策がそれら共産諸国との関係の従属変数として存在し生み出された。その一つが共産諸国の原発・核兵器は「きれいな原発・核兵器」だと表現されたような姿勢や言動だった。

 同様に文在寅大統領を始めとした政権高官らにとっても、頭の中には北朝鮮(との関係)しか存在しないが故に、韓国の原発は「汚い」もので廃炉対象として然るべきだが、北朝鮮の原発・核兵器は「きれい」なものだと真剣に考えても、矛盾を感じないのではないか。

 昨今の違法な手段を動員しても強行する韓国の脱原発政策と、北朝鮮の核開発への穏健な視線と姿勢、また北朝鮮への原発建設援助を巡るニュースに接し、こうした日韓の国境線を超えた左派勢力特有の特異な思考法の一端を感じさせられてしまった。

 韓国の慰安婦判決や徴用工判決などで日韓関係や日米間の三角同盟に亀裂や疲労感が続き、日本の菅政権にも「韓国と関わりたくない」の機運が蔓延していることは理解できる。しかし、日本の安全保障と繁栄は朝鮮半島に既に存在する核技術を論外としては維持できないことも理解すべきだ。「きれいな原発・核兵器」なんかは存在しないからである。

最終更新:2021/02/13  12:51


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