外交部に入る滝崎成樹氏=6日、ソウル(聯合ニュース)
外交部に入る滝崎成樹氏=6日、ソウル(聯合ニュース)
【ソウル聯合ニュース】韓国と日本の外交当局が6日にソウルで局長協議を開き、強制徴用訴訟問題の解決策をはじめとする互いの関心事を話し合ったが、立場の隔たりを埋めることができないまま終了した。 韓国外交部の金丁漢(キム・ジョンハン)アジア太平洋局長と日本外務省の滝崎成樹アジア大洋州局長は6日午後3時から、約2時間40分にわたり外交部庁舎で協議した。正式な局長協議は、韓日軍事情報包括保護協定(GSOMIA)の終了を1週間後に控えていた昨年11月15日に東京で行って以来、約3カ月ぶり。 韓国側は、2018年10月に韓国大法院(最高裁)が徴用被害者への賠償を日本企業に命じた判決に従って解決策を模索するよう促し、同問題を巡るあつれきの中で日本が昨夏に強行した対韓輸出規制強化を完全に撤回すべきとの立場を伝えた。 外交消息筋は「韓国側は期待していたよりも進展がないという考え」とし、「今回の協議ではこれまでよりも輸出規制の早期撤回を強く要求したものと承知している」と伝えた。 康京和(カン・ギョンファ)外交部長官もこの日午前に開いた記者会見で、「輸出当局間の対話があったが、われわれが望んでいる(輸出規制措置が取られた)7月1日以前の状況に戻らなかった」とし、韓国にはいつでも韓日GSOMIAを終了する権利があり、国益に基づいてこの権利を行使すると述べた。 日本側は強制徴用訴訟問題と輸出規制は別問題とするこれまでの立場から大きな変化はなかったようだ。輸出規制緩和の速度が遅いという指摘には、経済産業省の立場や技術的な問題などをあげて説明したという。 この日協議では強制徴用訴訟で韓国大法院の賠償判決により差し押さえられた日本企業の資産が現金化される可能性についても言及された。 日本側は判決自体が「国際法違反」だとする立場を崩さず、現金化は自国の企業に被害を与える行為と主張したとされる。 韓国政府の当局者は今回の協議について、「(昨年12月の)両国首脳による会談のモメンタム(勢い)を受けて開かれた協議であり、互いに問題を解決しようという意思は確認したが、実質的な議論の面で大きな進展があるというにはまだほど遠い」と話した。 双方はこの日協議で新型コロナウイルスによる肺炎の感染拡大を防ぐため、関連情報の共有などが円滑に行われるよう緊密に協力することで一致した。  金氏は日本国内の韓国人の保護や被害防止のための日本政府の協力を要請した。 金氏と滝崎氏はこの日、夕食を共にしながら協議を続けた。
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