松の間に静かな遊歩道が伸びる=(聯合ニュース)
松の間に静かな遊歩道が伸びる=(聯合ニュース)
【高陽聯合ニュース】古代エジプト王の墓、ピラミッドに勝るとも劣らない王陵が、韓国の首都圏に点在している。ソウル近郊、京畿道高陽市にある西五陵がその代表だ。 西五陵には昌陵、翼陵、明陵、敬陵、弘陵の五つの陵がある。王と王妃の墓を陵と称し、王世子(皇太子)とその妃などの墓は園と呼ぶ。 この原則は非常に厳格で、朝鮮王朝第10代王の燕山君や第15代王の光海君のように王の座を追われて死んだ者の墓は陵とは呼ばれない。 五つの王陵を差し置いて最も人気がある場所が、第19代王・粛宗の後宮となり王妃の座に上り詰めた禧嬪張氏(張禧嬪)の墓、大嬪墓だ。 ここに足を踏み入れるやいなや、考え事をするのに最適な場所であることが分かった。管理事務所を過ぎるとよく整備された静かな林道が伸び、雑草一つない道に栗やどんぐりが落ちる音が聞こえてくる。 西五陵は数時間では回りきれないほど広大だ。面積は約182万9000平方メートルに及ぶ。 西五陵の近くには食堂やカフェが並び、平日も車や人々で混み合っている。だが西五陵に立ち寄る人は多くなく、食事やお茶をするために来る人がほとんどだ。 西五陵より規模が少し小さい西三陵も、あわせて訪問するのにお勧めの場所だ。西三陵の入り口の道は、さらに風情がある。背の高いポプラの木が植えられた道の先にある、韓国馬事会の種馬牧場に足を伸ばしてみるのもよいだろう。西三陵は西五陵より公開されている墓の数と面積が少ない。 朝鮮王朝第11代王の中宗の継妃、章敬王后尹氏の墓である禧陵と、第25代王の哲宗とその王后の墓である睿陵のほか、朝鮮の歴代の後宮と王族などの墓45基があるが、一般に公開されているのは禧陵と睿陵のみで、多少規模が小さく感じられる。 1960年代初頭には面積が333万平方メートルを超えていたが、ゴルフ場や牧場などが開発された結果、約24万平方メートルのみが残った。 目を引くのは、西三陵に向かう道の入り口にある広開土大王陵碑(高句麗第19代王の好太王をたたえるため、現在の中国吉林省に建てられた石碑)と同じ碑石だ。 ここで30年以上食堂を営む事業家が、数年前に自ら中国の広開土大王陵碑を訪れ、実物と同じ形と大きさで製作して韓国に持ち込んだものだ。 碑石の裏手にはさまざまな醤(醤油、味噌などの調味料)が入った数百の甕(かめ)が並んでいる。 食堂の主人は11月6日に広開土大王の追悼祭を行う。追悼祭は今年で14年目になるという。
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