<W解説>日本の政界要人の訪韓活発、「戦後最良の日韓関係」と言われる日も近い?(画像提供:wowkorea)
<W解説>日本の政界要人の訪韓活発、「戦後最良の日韓関係」と言われる日も近い?(画像提供:wowkorea)
超党派の国会議員でつくる日韓議員連盟の会長の菅義偉前首相が先月31日、韓国を訪問し、ユン・ソギョル(尹錫悦)大統領と会談した。菅氏は日韓関係の改善に向けた動きが続いていることを踏まえ、自らも努力していくことを伝えた。5月は日本の要人による韓国訪問が続き、7日には岸田文雄首相が就任後初めて韓国を訪問し、ソウルで日韓首脳会談を行ったほか、麻生太郎元首相も11日に尹大統領と面会している。日韓関係が「戦後最悪」ともいわれ、政治交流もほとんどなかったムン・ジェイン(文在寅)前政権時とは大きく変わった。

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会談では北朝鮮が事実上の弾道ミサイルを発射したことをめぐって意見を交わした。菅氏は「日韓、日米韓の安全保障協力の重要性がさらに高まっている」と強調した。これに対し尹氏は「両国民の指示と政治指導者の意思がかみ合ってこうした方向へ大胆な一歩を踏み出すことを望む」と応じた。

また、菅氏は北朝鮮による日本人拉致問題の即時解決に向けた理解と協力を求めた。

拉致問題をめぐっては、岸田首相が先月27日、東京都内で開かれた北朝鮮による拉致問題の「国民大集会」に出席した際、キム・ジョンウン(金正恩)総書記との首脳会談実現に意欲を示した。

これを受け、北朝鮮外務省のパク・サンギル次官が直後に談話を発表。「もし日本が過去にとらわれず、関係改善の活路を模索するのなら両国が会えない理由はない」と述べ、2004年以来、行われていない日朝首脳会談の実施に含みを持たせた。しかし、パク氏は、拉致問題に関しては「解決済み」との北朝鮮の従来の主張を繰り返し、取り合わない姿勢を見せた。だが、日朝交渉の場に出ることを、真っ向から拒否しなかったことは近年にない状況と言え、この好機を首脳会談実現につなげるためにも韓国の協力が必要だ。

尹氏は菅氏との会談で、拉致問題の即時解決に向けた日本の取り組みを支持する姿勢を示した。

菅氏は今年3月に日韓議員連盟の会長に就任した。首相経験者の日韓議連会長は2001~2010年に務めた森喜朗元首相以来。菅氏は元慰安婦問題をめぐる2015年の日韓合意に官房長官として関わった。議連は会長を約10年務めた額賀福志郎元財務相の交代時期を検討する中で、第2次安倍晋三政権時代に官房長官として日韓両国間の問題に真正面から取り組んだ経験のある菅氏が適任だとして、額賀氏が後任に推薦。菅氏は3月に開かれた役員会で受諾の意向を伝えた。尹大統領とは、会長内定段階の3月17日、連盟の役員らとともに面会し、会談している。当時、尹氏は日韓首脳会談のため訪日していた。そして今回は菅氏が訪韓し、尹氏と再び会談した。

産経新聞は先月31日、「日韓議連 菅義偉新会長で生まれ変わるか」との見出しの記事を掲載した。記事は「日韓議連は韓国の文在寅前政権下で過去最悪レベルに冷え込んだ両国関係の改善に貢献できず、『機能不全』(与党中堅)と批判されてきた」と指摘。一方、尹政権は日韓改善に意欲的で、記事によると、菅氏も「尹氏が大統領のうちに、日韓間の課題で改善できるものは全部やるべきだと強く思っている」と周囲に話しているという。記事は「菅氏は日韓議連についても『友好を唱えるだけ』(与党若手)だった集まりから『本音の話ができる』(議連メンバー)組織へと変えたい意向とされる」と伝えた。

5月は日本の政界要人の訪韓が続いた。7日の岸田首相の訪韓に続き、12日には自民党の麻生副総裁がソウルの大統領室を訪れ、尹氏と会談した。麻生氏は「大統領の努力により両国関係がこの1年余りで全く違う局面に変わった」と評価。自身も両国間の交流に積極的な役割を果たすとした。

両国首脳の相互訪問「シャトル外交」も復活し、今後、ますます活発化する雰囲気がある。政界のみならず、経済、国民同士の交流も広がっており、「戦後最悪の日韓関係」から「戦後最良の日韓関係」と表現される日も近いかもしれない。

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