コンテナ貨物船(資料写真)=(聯合ニュース)
コンテナ貨物船(資料写真)=(聯合ニュース)
【ソウル聯合ニュース】北朝鮮が今月初め、朝鮮半島東・東海の公海上で韓国の貨物船に対し外海に出るよう促す内容の警告通信を行っていたことが、23日までに確認された。

 韓国政府の当局者によると、今月8日午前、北朝鮮は公海上を運航していた韓国船籍の貨物船に接近した。3万トン級のこの貨物船には、韓国人2人を含む船員21人が乗っていた。

 この船に対し、北朝鮮側の船員は手ぶりで「出ていけ」という信号を送った。同時に、北朝鮮は南北艦艇間の海上ホットラインである国際商船共通網を通じて繰り返し「外海に出ろ」とメッセージを発信した。

 国際商船共通網は周波数が公開されており、「オープンチャット」のように誰でも利用できる通信網だ。北朝鮮が先月7日、一方的に韓国側との連絡を遮断した南北共同連絡事務所や軍通信線とは性格が異なる。

 韓国の貨物船はメッセージを受信後、直ちに船舶会社と海洋水産部など関係機関に状況を伝えた。

 船舶は正常な航路で運航していたが、南北間の偶発的な衝突を避けるために針路を変え、2時間以上迂回(うかい)。東海上の軍事境界線にあたる北方限界線(NLL)の韓国側海域に入った。

 軍は、船舶が安全に韓国側海域に入るまで非常待機体制を維持したという。   

 韓国の貨物船に接近した北朝鮮船舶の船員が軍人なのか民間人なのかは分かっていない。政府当局は、国際商船共通網でメッセージを発信した主体についても分析を進めている。

 政府関係者は「8日以降、まだ類似した事例は発生していない」とした上で、「船舶会社に今回のことを知らせ、運航時に注意を呼び掛けている」と説明した。


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