韓国・古里原発2号機、一時停止=2025年6月ごろ「再稼働」の予定(画像提供:wowkorea)
韓国・古里原発2号機、一時停止=2025年6月ごろ「再稼働」の予定(画像提供:wowkorea)
韓国のコリ(古里)原発2号機が、およそ2年3か月の間「一時停止」する。

 29日、産業通商資源部(日本の経済産業省に相当)によると、韓国水力原子力(以下、韓水原)は、古里原発2号機の運転を一時停止することに決定した。来る4月8日に40年とされていた既存の運営許可期間が終了するためだ。ただし、韓水原は同原発に対する継続運転許可手続きを踏んでおり、早ければ2025年6月より再稼働する予定だ。

 古里原発2号機は、現在韓国で稼働している原発25基の中で最も古い原発だ。1983年、現在は永久停止している古里原発1号機とウォルソン(月城)原発1号機に続いて、韓国で3番目に稼働を開始した原発だ。韓水原・プサン(釜山)古里原子力本部で昨年、国内全体の電力生産量の0.5%にあたる2.9TWh(テラ・ワット・アワー)の電気を生産して供給した。

 古里原発2号機は昨年まで、ムン・ジェイン(文在寅)元大統領の”脱原発”によって永久停止された後、解体手続きを踏む予定だった。しかし昨年5月、ユン・ソギョル(尹錫悦)政権が発足すると、”脱原発の破棄”を宣言して、寿命が延長された。尹政権は、古里原発2号機をはじめとする設計寿命終了の原発を設備改善を通して、10年単位で継続運転することにした。

 ただし、継続運転まで約2年間の空白は避けられない。期限が過ぎた原発が再び運営許可を受けて、設備改善を通して再稼働するために通常3年半の準備が必要だが、1年前までは「永久停止」する予定の原発だったために、それなりの期間が必要となる。

 尹大統領が昨年3月、大統領に就任した直後、大統領職引き継ぎ委員会を通して古里原発2号機の稼働延長を決定し、韓水原はすぐに関連手続きに入ったが、今後2年ほどの期間が必要と伝えられている。

 産業通商資源部と韓水原は、安全性を前提に残りの手続きを迅速に処理し、2025年6月ごろから継続運転できるようにする計画だ。古里原発2号機は昨年基準で2.9TWhの電気を生産したが、これを天然ガス火力発電と比較すると、年に11億7000万ドル(約1500億円)に達する発電用液化天然ガス(LNG)輸入の節減効果があるというのが産業通商資源部の説明だ。ガス発電と比較しても年に136万tの温室ガスを削減できる。

 産業通商資源部の関係者は「前政権の”脱原発”政策により、稼働延長手続きの開始が遅れ、古里原発2号機の一時稼働中断は避けられない状況」とし、「稼働中断期間、全体電力需給に支障が出ないように努力すると同時に安全性を前提に迅速に継続運転を進めていけるよう支援する」と明かした。

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