<W解説>韓国の文化体育観光部が発表した日韓の文化交流・協力促進プロジェクトの中身とは?(画像提供:wowkorea)
<W解説>韓国の文化体育観光部が発表した日韓の文化交流・協力促進プロジェクトの中身とは?(画像提供:wowkorea)
韓国の文化体育観光部(部は省に相当)は、日韓両国の文化交流・協力促進プロジェクトを立ち上げ、分野別にさまざまな関連事業を展開する計画を発表した。「韓日未来文化同行」と題したプロジェクトで、MZ世代(1980~2000年代生まれの若者世代)の交流をはじめ、文化・スポーツ・観光分野での協力のすそ野を広げていく。

韓国政府は2023~24年を「韓国訪問の年」と位置づけ、観光公社、国内の各自治体などと協力して観光立国を目指すことを既に宣言している。日韓関係の悪化と新型コロナウイルスの流行で両国の観光交流は一時、落ち込んだが、「韓国訪問の年」に合わせ、観光交流の回復を加速させる。同プロジェクトの一環として、文化体育観光部は韓国の観光地をPRする「K観光ロードショー」を来月、東京や大阪など日本の5都市で開催する。

文化コンテンツの分野では5月に韓国の漫画やウェブトゥーン(縦読み漫画)を紹介する「Kコミックスin Japan」、10月にはK-POP関連の催し「コリアスポットライト」を日本で開催する。

韓国生まれのウェブトゥーンが今、世界で人気を博しており、マンガ出版市場の規模は減少している一方、世界のウェブトゥーン市場の規模は既に37億ドル(約5070億円)を超え、2030年には56億ドル規模に成長する見通しとなっている。ウェブトゥーンは縦スクロールのデジタルマンガで、ネットに掲載されているという意味の「Web」と、漫画「Cartoon」を組み合わせた造語だ。Webでの掲載という特性を生かして、作品は縦スクロール、全編カラーであることが特徴。コメディーやラブストーリー、ファンタジーなど、さまざまなジャンルの作品がある。2000年代初めに登場し、スマホやタブレット端末の普及により、今や発祥地の韓国のみならず、日本や米国など海外でも多くの作品が翻訳され、人気を集めている。

K-POP、韓国ドラマの人気もとどまることがなく、文化体育観光部の調査によると、Kコンテンツの2021年の対日輸出は日本のコンテンツの輸入額の14倍に達した。韓国にとって日本はKコンテンツ輸出額全体の15.4%を占める重要な輸出国だ。最近では、韓国ドラマ「ザ・グローリー~輝かしき復讐~」が米動画配信大手のネットフリックスで日本をはじめ世界各国で人気を博している。「ザ・グローリー」は高校時代に壮絶ないじめを受けた女性が綿密に計画を練り、復讐(ふくしゅう)するドラマで、今月10日にパート2の配信が始まった。ネットフリックスの13日付テレビ番組世界ランキングでは、韓国、日本を含む38か国・地域で1位となった。

ユン・ソギョル(尹錫悦)大統領は先月、主宰した輸出戦略会議で、今年の輸出を0.2%増加させ、輸出額6850億ドル(約92兆4000億円)を達成すると宣言。中でも、世界的に人気を集めるK-コンテンツをファッションや観光、ITなどさまざまな分野に生かし、輸出を活性化させるよう指示した。この会議で文化体育韓国部はK-コンテンツの年間輸出額を市場拡大の取り組みなどを通じて2027年までに現在の2倍に引き上げる計画を明らかにしている。

今年は1998年の「日韓共同宣言」を機に本格化した韓国での日本の大衆文化の開放から25年、2003年に日本で韓国ドラマ「冬のソナタ」が放送されたのを機に韓流ブームが巻き起こってから20年の節目に当たる。文化体育観光部は節目の年に日本でのKカルチャーのすそ野をさらに広げるため、「韓日未来文化同行プロジェクト」として、両国のMZ世代間の交流・協力事業を支援する。

そのほか、今日21日には同部の青年諮問団が、新型コロナの流行以降、初めて修学旅行で韓国を訪れた熊本県の高校生たちを歓迎する行事を開く。日韓の文化相による「シャトル外交」も来月の開催を目標に推進する。シャトル外交を通じて、政府と民間の多様な文化・スポーツ・観光分野の交流、協力事業に関する協議を進める計画だ。

日韓関係が修復に向かう中、若者世代を中心に日韓両国の国民の相互訪問、相互理解が活発になりつつある。文化体育観光部のパク・ボギュン長官は「韓日未来文化同行プロジェクト」について、日韓共同宣言の精神を継承、発展させるものだと説明。文化や観光などの分野において日韓双方が相乗効果を得られるようしたいと思いを語った。

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