ムーディーズ、「韓国企業の信用度は安定的…財務緩衝力強い」(画像提供:wowkorea)
ムーディーズ、「韓国企業の信用度は安定的…財務緩衝力強い」(画像提供:wowkorea)
米格付け大手の「ムーディーズ(Moody’s)」が、韓国非金融企業の信用度について、「安定的な水準に維持される」と見通した。

 8日、ムーディーズと韓国信用評価がオンラインコンファレンスを共同で主催。ムーディーズのショーン・ファン研究員は「コロナ禍に多くの主要企業が、堅調なキャッシュフローを基盤にレバレッジ指標を向上させた。また、現金の保有を強化し、財務的な緩衝力がかなり強くなった」と述べた。

 現在、同社が信用等級を付けた韓国の非金融企業23社の中で、21社の等級が安定的な見通しだ。ただ、「SKイノベーション」と「SKジオセントリック」は大規模な資本支出と負債増加などで、等級の見通しは否定的になっている。

 ファン研究員は「ほとんどの会社が営業キャッシュフローと余剰キャッシュフローを活用できるため、借入金の水準は非常に安定的だ。例外的に大規模な投資を続けると予想されるバッテリー業者などは、借入金が引き続き増加するだろう」と説明した。

 ただし「さまざまな対外危険要素が依然として散在しており、上方よりは下方リスクがさらに大きい」と指摘。それと共に危険要素として、世界景気の鈍化や攻撃的な金利引き上げ、インフレ、コロナの変種出現などを提示した。

 同社は電力や輸送など、韓国のインフラ部門に対する見通しも発表した。同社のミック・カン理事は「韓国電力の場合、来年の料金引き上げ幅が燃料費の増加に比べ低いと予想される。収益性および財務指標が引き続き弱い水準に留まるだろう」としながらも、「来年の財務指標が今年と比べ回復し、2024年にはさらに大幅に向上する」と述べた。

 仁川国際空港公社については、「海外旅行客の増加で、財務指標が来年下半期頃から向上するだろう」と付け加えた。

 韓国信用評価は高い原材料価格や金利上昇、景気低迷、為替変動性などで韓国企業の信用度を改善する動力が弱まったと分析。同社のイ・ギルホ企業評価本部室長は「今年第3四半期だけを見れば、信用度は上方より下方優位と現れている。これまでの信用度に関する上方基調は、ひとまず終わった」と評価。また「マクロ経済の環境が不利に変化した点を考慮すれば、今後全般的な信用度の改善が容易ではないだろう」と予想した。

 この日ムーディーズと韓国信用評価は環境・社会・支配構造(ESG)債権など、持続可能な金融についても議論した。

 韓国信用評価院のチョ・ビョンジュン財務評価本部室長は「今年は全般的に債権市場の萎縮で、大幅に国内ESG債権市場が萎縮している。全体債権市場でESG債権が占める比重は、昨年第2四半期22.3%に達したが、今年第3四半期は12.5%に大きく下落した」と指摘した。

 それと共に「非友好的な市場環境の中で生存が優先され、ESGに対する懐疑論などが拡散し、相対的にESG債権への関心が低下した」と説明。合わせて「短期間にESG債権市場の回復を期待することは難しい実情だ。金利引き上げ基調の鈍化、金利変動性の縮小などが先行されなければならない。しかし、まだ変数が多く、来年下半期以降の回復を見通す見解が多い」と付け加えた。
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