大田市内の給油所に表示されているガソリン価格(上)と軽油価格=9日、大田(聯合ニュース)
大田市内の給油所に表示されているガソリン価格(上)と軽油価格=9日、大田(聯合ニュース)
【ソウル聯合ニュース】韓国で軽油の小売価格が高騰している。韓国石油公社が運営する石油製品の価格情報サイトによると、11日正午時点で全国のガソリンスタンドの軽油小売価格は1リットル当たり平均1946.65ウォン(約199円)と、ガソリン価格(1945.88ウォン)を上回った。軽油とガソリンの価格が逆転するのは2008年6月以来、ほぼ14年ぶり。 軽油価格は前日から5.19ウォン上がり、08年7月(1947.8ウォン)以来の高水準となった。ガソリン価格の上昇幅は2.09ウォンだった。 大韓石油協会の関係者は「国際市場での軽油価格の上昇と、(韓国の)油類税の引き下げ幅拡大の影響が重なり、軽油とガソリンの価格の逆転現象が起きたとみられる」と述べ、国際的な軽油の需給に変化がない限り当分はこうした状態が続くとの見通しを示した。 軽油は世界的に在庫が減って値上がりしている。中でも欧州は軽油輸入の約6割をロシアに依存してきたが、ロシアのウクライナ侵攻後は制裁措置としてロシア産石油製品の輸入禁止などに動いており、需給が逼迫(ひっぱく)している。 国際的な軽油価格は5月第1週の時点で年初比75.6%上昇した。ガソリン(50.1%上昇)よりも値上がりペースが速い。これが韓国国内の小売価格上昇につながった。 さらに、韓国政府が今月1日から7月末までの予定で、ガソリンや軽油に課す「油類税」の引き下げ幅を従来の20%から30%に拡大したことも影響した。 国際市場での軽油価格はガソリンを上回るか同程度だが、韓国国内のガソリンスタンドではおおむね軽油の小売価格がガソリンに比べ1リットル当たり200ウォンほど安かった。軽油に課される油類税がガソリンより低いためだ。 ところが政府が油類税の引き下げ幅を拡大したことで、税の軽減効果はガソリンのほうが大きくなった。軽油の小売価格は5月3日まで小幅下落した後、4日に再び上昇に転じた。 軽油は貨物車や宅配用トラック、バスといった事業用自動車、建設機械などの燃料に用いられている。政府は公共交通機関や物流業界の負担増を抑えようと、今月から3カ月間、軽油価格に連動して補助金を支給している。 
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