習近平はプーチンのウクライナ侵攻を知らされていなかった?…中国の情報収集に問題発生か(画像提供:wowkorea)
習近平はプーチンのウクライナ侵攻を知らされていなかった?…中国の情報収集に問題発生か(画像提供:wowkorea)
ロシアによるウクライナ侵攻に関連し、プーチン大統領が中国側にウクライナ侵攻を事前通告しておらず、中国の情報システムも情勢を読み誤っていた可能性が指摘されている。

 中国の習近平国家主席は今月25日に行われたプーチン大統領との電話会談において「中国側は各国の主権と領土の尊重に関し、国連憲章の主旨と原則を順守するという一貫した立場だ。中国側は国際社会と同調し、国連を中心とする国際体系及び国際法を基礎とする国際秩序を守っていく」と伝えていた。しかし、国連安全保障理事会でロシアのウクライナから「無条件撤退」を求める決議案が提出されると、ロシアが拒否権を行使する中で、中国は「棄権」した。

 米紙「ウォール・ストリート・ジャーナル」は、米国とEU諸国は再三にわたってロシアのウクライナ侵攻について警告を発してきたが、中国当局は相手にしてこなかったと指摘。中国側は一貫して「警告は米政府がロシアの脅威を誇張するものだ」としてきた。また、今月4日に中国がロシアと協力関係強化に関する共同声明に署名したことも、戦争発生のリスクが薄らいだとの誤った判断を中国側にもたらした可能性があるとしている。

 さらに、中国の駐ウクライナ大使館はロシア侵攻前に現地在住の中国人を避難させていなかったことから、中国当局の情報収集に大きな問題があったことは明らかであり、これも中国政府に情勢判断を誤らせた原因となったと主張している。

 これに関連して「カーネギー国際平和財団」のエバン・ファイゲンバーム氏は、中国が3つの目標を同時に追求していると指摘。その3つが「ロシアとの戦略的協力関係を構築すること、主権・領土の保全と内政不干渉という外交政策の原則を維持すること、米国とEUによる制裁のダメージを最低限に抑えること」だとした。

 その上でファイゲンバーム氏は「但し、この3つの目標を同時に実現させることは難しいため、中国は政治的・現実的な観点から優先順位を判断している。ロシアの行動については、中国の利益に符合するかどうかを見極めた上で、戦略的協力関係の強化を行っていくだろう」と述べている。
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