米中覇権競争や北朝鮮の兵器高度化など、朝鮮半島の緊張感が高まっている状況とあいまって、日米の安保協力は質的にも変化していくようだ。北東アジア地域の牽制と均衡をとってきた日米韓三角協力の重心が変わり、米韓同盟もまた影響を受けざるを得えない状況となった。

 米国と日本は7日、外交・国防相会議(2+2会議)をオンラインで開き、極超音速ミサイルに対する対応と宇宙能力の向上を念頭に最新技術に対する研究開発協定を結ぶという内容を含む共同文書を採択した。

 日本は「国家防衛に必要なすべての選択肢を検討する決議」を強調し、敵基地の空力能力保有を検討する意向をほのめかした。また、日本の安保戦略の大枠である「国家安全保障戦略」とその具体的な計画である「防衛計画大綱」、「中期防衛力整備計画」などの改正過程で、米国と認識を共有するとの考えも示した。

 「日本は防御に重点を置き、攻撃は米国がする」という既存の日米同盟の枠組みを越えなければならないほど、北朝鮮と中国、ロシアなどのミサイルの脅威が大きくなったと判断したようだ。北朝鮮が今月5日と昨年9月の2度にわたって極超音速ミサイルを試験発射した。まだ迎撃が不可能なレベルではないが、北朝鮮が戦略資産を持続的に高度化しているという事実が再確認された。

 ロシアは今年8月、「射程1000キロ」の極超音速ミサイルを原子力潜水艦から発射するのに成功し、中国も核兵器を搭載できる超音速ミサイルを秘密裏に発射したことが分かった。ブリンケン米国務長官は「中国とロシアは陸地、海、宇宙とサイバー空間で引き続き国際規約を違反している」と指摘し、北朝鮮に対しても「不法の核・ミサイル開発は現在進行形の脅威を与えている」とした。

 このような状況で、米国は自国の極超音速ミサイルのレベルが、中国とロシアに遅れをとっていると憂慮し、日米安保協力の枠組みを変化させようとしている。オースティン米国防長官は「北朝鮮の核の野心と中国の強圧的で攻撃的な行動が私たちに投げかける挑戦」とし、両国の軍事・安保協力の必要性が高まっていると指摘した。

 問題は、このような日米間の動きが、日韓安保同盟の圧迫にならざるを得ないということだ。米国は日米韓三角安保協力体制を、対北政策とインド・太平洋政策などアジア政策の遂行および米国の利害関係の核心的要素と見なし、特にバイデン政権はこれを強調してきた。こうした方針の下、バイデン政権発足直後の昨年3月、米国と日本、韓国と米国の外交・国防相(2プラス2)会議が開催された。日米2+2会議が開かれたのは2013年10月以降7年半、米韓2+2会議が開かれたのは2016年10月以降5年ぶりのことだ。さらに、わずか10か月後に開かれた日米2+2会談ではさらに進展した協力内容が引き出された。

 日米安保協力が質的変化を遂げ、日本が事実上「専守防衛」の原則を捨てたということも、韓国としては気になる点だ。日本との複雑な歴史問題を抱えたまま、朝鮮半島の緊張感が高まったためだ。北朝鮮が「ダブルスタンダードの撤廃」と「対北敵視政策」を対話の条件として掲げている状況で、「対話と外交」を通じた北核問題解決に向けての状況がさらに悪化した。

 ただし、日米同盟と日本の国防政策に、韓国政府が直接的に対応するのは難しい。外交部当局者は「日米2+2会談の動向などに関しては、韓国も関心を持っている」と明らかにした。
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