専門家が中国政府の人口統計に疑問符 実際の人口は12.8億人程度か=台湾報道(画像提供:wowkorea)
専門家が中国政府の人口統計に疑問符 実際の人口は12.8億人程度か=台湾報道(画像提供:wowkorea)
中国人口問題の専門家・易富賢氏(ウィスコンシン大学)が米メディア「ロイター」主催のイベント「Reuters Next」で、中国の2020年現在の実際の人口は12億8千万人程度だとの見解を示した。

 中国政府の公式資料では、中国の人口は14億1千万人となっている。しかし、易氏によると、実際の出生率は公式発表の数値よりも低く、3人まで子どもを生めるようにした出産奨励政策も効果が出ていないという。
 
 アメリカの国営放送「ボイス・オブ・アメリカ」の報道によると、中国の出生率低下は経済成長鈍化やさらなる労働可能人口減少・高齢化につながるとの懸念が出ている。易氏によると、中国の人口は2018年以降減少を続けており、中国政府の公式発表の数値はそれを正確に伝えていないという。

 中国政府は2016年に数十年来の「一人っ子政策」を取りやめ、2人まで子どもを生めるようにした。しかし、中国の都市部では養育費・教育費の高さから、出生率は低下を続けている。中国政府は今年5月、子どもを3人まで生めるように法改正した。

 中国系の作家であり記者である朱賁蘭(レノラ・チュー)氏は「Reuters Next」の席上で、中国の教育コストと受験戦争のプレッシャーが出生率の低下に直結しているとし、「それが人口政策と教育改革が連動しなければならない理由だ。そうでなければ、誰も子どもを多く持ちたいとは思わない」と述べた。

 中国政府の公式資料によると、2020年の中国の合計出生率(1人の女性が一生の間に何人の子を産むかを表す数値)は1.3となっており、日本やイタリアなどの高齢化社会と同等である。人口増加の目安とされる2.1を大きく下回っている。

 易氏は、もともと「一人っ子政策」の対象となっていなかった中国の少数民族の出生率も低下しており、中国全体の出生率は公式資料よりもかなり低いと推定している。また、中国の地方政府が人口を実際より多く報告し、中央政府から補助金を引き出そうとしていると指摘。人口統計の食い違い問題には、そうした地方政府の利益追求の動きが背景にあるとしている。
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