(画像提供:wowkorea)
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韓国では、新型コロナウイルス感染症の経済対策として、支援金の給付の申請受付が6日から始まる。事業者ではない、一般国民を対象とした給付は昨年に続いて2回目となる。

日本に比べると、韓国は1968年から北朝鮮のスパイ識別などのために導入された「住民登録番号」(マイナンバーに相当)による全国民の個人情報の管理体制が行政に定着している。銀行口座やクレジットカードもこの番号により結び付けられ、1回目の時は、行政システムのIT化もあり、速やかに給付完了された。

第2次のコロナ対策支援対象は全国民の88%で、1人当たり25万ウォン(約2万3700円)が支給される。韓国政府は今月末までに給付を90%完了させることを目標に掲げ、スピーディーな支給を目指す。

ムン・ジェイン(文在寅)大統領は今年2月、一般の国民を対象とした2回目の給付金を検討する考えを示し、韓国国会は7月、支援金の予算などを盛り込んだ34兆9000億ウォン規模の第2次補正予算案を可決した。ムン大統領は補正予算案の可決時「コロナで疲弊している国民に大きな力になると思う」と述べている。

今回支給される支援金は、給付対象の範囲をめぐって議論となったが、最終的に全国民の88%に支給することに決まった。内訳は所得下位80%と共働き世帯、1人世帯。今年6月の本人負担の健康保険料の世帯別合算額が、支給対象の有無を決める基準となる。

しかし、この「88%」という数字には疑問の声も出ており、韓国の中央日報は、7月26日付の社説で、「国民をついに分裂させた。一体、何を根拠に国民の88%は支援金を受け取れ、12%は受けられないのかはっきりとした説明がない」や「公平性をめぐる論争は終わらない」などと批判している。

韓国では昨年5月にも、全ての国民を対象とした支援金の給付を行った。この時も支給対象範囲が議論となり、当初は所得下位70%の世帯を対象とする方針だったが、革新系執権与党「共に民主党」は全世帯への給付を主張。ムン大統領も全員支給を支持し、上位30%の所得層に「自発的な返上」を促すことで落ち着いた。

支援金はクレジットカードにチャージするなどの方法で受け取る。使用期限は12月31までで、期限内に使用しなかった残額は、国と地方自治体に返還される。

一方、オンラインでは使用できないため、外出や私的な集まりを制限している中で対面消費を促すことになり、防疫当局の指針と逆行するのではとの批判も出ている。

新型コロナ対応の給付金をめぐっては、日本政府も昨年、国民1人当たり10万円の特別定額給付金を支給した。昨年5月から支給が本格化し、9月にはほぼ完了した。

総務省が今年4月に公表した集計結果によると、実際に配った金額は約12兆6700億円で、予定額の99.7%が配られた。対象者から申請がなかったなどの理由で、予定した金額のうち、40万人分に当たる約400億円が余ったこともわかった。

研究チームの調査によると、この給付金について、少なくとも7割が貯蓄に回ったと見られることがわかった。低所得者層は、それ以外の層に比べて消費に当てる額が多かったことも判明した。

新型コロナの影響が長引く中、日本でも一般国民を対象とした給付金の再給付を求める声もあるが、財政を扱う財務省は慎重な姿勢を貫いている。そんな中、野党の国民民主党は先月24日、全国民への10万円再給付など、総額50兆円規模の経済対策を盛り込んだコロナ対策をまとめ、発表した。

韓国で6日から申請受付が始まる第2次国民支援金。一般国民を対象とした2回目の支給が、コロナ禍の経済対策として成果を上げることができるか注目されるところだ。

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