物流センター火災発生5時間後に創業者の辞任発表のクーパン、SNSで「不買・脱退」が拡散=韓国(画像提供:wowkorea)
物流センター火災発生5時間後に創業者の辞任発表のクーパン、SNSで「不買・脱退」が拡散=韓国(画像提供:wowkorea)
今月17日に韓国通販大手「クーパン」の物流センターで起きた火災が4日経った現在も鎮火していない中、クーパンの“安全不感症”を批判する消費者たちが動き始めている。

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 21日、インスタグラムやツイッターなどのSNSにはクーパンを叱り、オンラインホームページの会員脱退の証拠写真などの掲載が続いている。

 消費者たちは「なぜ、消費者の気持ちを重くさせるのか」、「崩れてしまった建物から抜け出せなかった消防官に哀悼の意を表する」、「クーパンが責任ある企業になるよう望む」と声をあげた。

 「クーパン脱退」というキーワードは、一時、ツイッターのトレンド1位となり、関連のツイートは10万件以上掲載された。

 一部の利用者は脱退方法を説明する文章を掲載して、脱退を推奨。さらにクーパンが収益の極大化に力を注ぐのに集中し、労働者の安全をなおざりにしたと主張している。

 “ロケット配送”や“朝方配送”など、自社の流通経済力を高めるのに死活を掛けたが、数年間続いてきた労働者の処遇や環境改善は不十分だったという。

 今回の火災に関しては、スプリンクラーの誤作動を理由に挙げている。
一部では会社側がスプリンクラーを手動で消しておいたことが災いの元だとも言われている。

 労働組合は今月18日、ソウル市内のクーパン本社前で「物流センターには数多くの電気装置が設置されているうえ、ホコリまでたまっていて、火災の危険が高まっていてもクーパンの根本的な対策がなされたり、実行されたりしたことはなかった」とし、「火災と労働者の安全に対するクーパンの安逸な態度が如実に表れた」と強調した。

 また消費者は、携帯電話の持ち込み禁止といったクーパンの勤務規定も問題だと挙げている。

 クーパンは機密保安と業務妨害などの理由に、物流センター内の現場勤務者の携帯電話所持を禁止している。

 ある利用者はインスタグラムに「NOクーパン」を宣言し、「このような規定のせいで火災の第一発見者が連絡できなかった。消防署の支援が遅れるしかなかった理由だ」と述べた。

 以前にもクーパンは、新型コロナウイルスのクラスター発生や配達員の過労死など労働環境に関してすでに何度も消費者から批判されてきた。

 2018年には、物流センター内部で火災が疑われる煙が発生したにもかかわらず、職員を避難させるよりも勤務場所から離脱しないよう現場管理者が指示したという証言が出てきて、会社側の“安全不感症”に対する批判が大きくなっていた。

 さらにクーパン創業者のキム・ボムソク氏に対する批判も続いている。

 今回の火災発生当日、キム・ボムソク氏が国内法人の責任者から下りると伝え、「責任を取らない経営者だ」という批判が起き始めた。

 これに対してクーパンは「キム・ボムソク議長の辞任は5月末に理事会で確定した事案だ。火災当日に公開したのは、初期鎮圧に成功した状況で、火が再び大きくなるとは全く予想できなかったからだ」と説明した。

 クーパンは、カン・ハンスン取締役代表名義の立場文で「火災により大事な職場を失った1700人の職員に勤務することができない期間にも給与を正常に支給する。短期的を含めた全ての職員が希望するほかのクーパン事業所にて働けるよう転換配置の機会を最大限提供する」と発表した。

 殉職したキム・ドンシク救助隊長の遺族を生涯支援できる具体的な案も整えたことを明らかにした。クーパンは遺族と協議し、殉職した消防官の子どもたちのための「キム・ドンシク消防領(=消防官の階級)奨学基金」も設立する方針だという。
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