「米国が推進中であるインド・太平洋戦略は 冷戦的思考方式に満ち溢れていて、グループ間の対立を煽り、地域の平和と安定にとって 利とならない」

中国の王毅 国務委員兼外相は 去る9日に行われたチョン・ウィヨン(鄭義溶)韓国外相との電話会談で、米国によるインド・太平洋戦略に対して鋭く発言した。「ジョー・バイデン米政権が同盟を強化し、対中包囲網を築こうとしている」と言及し「韓国が これに飲まれてはならない」という内容の発言である

この日の電話会談は、“対中けん制方案”が集中論議されるとみられているG7(先進7カ国)サミットに、韓国が招請国として参加する直前に行われたという点で、注目された。ただ 韓国外交部(外務省)によると、この日の会談は 以前の中韓外相会談で合意した「幾度も疎通しよう」という内容を履行する次元で、韓国側の提案により行われたものだという。

しかし この会談で、中国側は「韓国が米国側に傾いてはならない」というメッセージを発信した。中国外務省が公開した報道資料によると、王毅外相は「中韓は友好的な隣人であり 戦略パートナーとして、 “是非曲直(正しいことと間違っていること)”をきちんと分別(ふんべつ)して正しい立場を固守し、政治的合意にしたがって 歪曲されたリズムに踊らされてはならない」と強調した。

先月の米韓首脳会談をきっかけに これまで「戦略的あいまい性」を維持してきた韓国が、「米国側に より一層傾いた」と評価され、米韓首脳会談では 中国が敏感に反応する「台湾海峡問題」も言及された。

さらに バイデン政権は8日(現地時間)、半導体・バッテリーなどの先端製造業の核心素材と部品などの供給網強化計画を発表し、韓国などの同盟国との協力を強調した。半導体・バッテリーは、米中技術覇権の勝敗を左右する核心産業分野として、米政権は中国に対する依存度を減らし、同盟国との供給網再構築を通して 対中けん制をしようとしている。

このことについて チョン外相は「韓国は中国の近い隣人として 中韓の戦略的協力パートナーシップの発展に大きな重要性を感じ、 “一つの中国”の原則を固守し、両岸(中台)関係の敏感性を十分認識している」と語ったと、中国外務省は伝えた。また「中国と政治的相互信頼を強化し 分野別の協力を強化して、中韓関係に より多くの内容と動力を吹き込み、来年 修交30周年を迎え 肯定的なメッセージが出せることを願っている」と語った。

韓国外交部は、王毅外相の一連の発言について「威圧的な雰囲気ではなかった」とし「率直な心情を明らかにしたものだとみている」と説明した。

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