韓国型戦闘機、5年ぶりに試作機=国産化率65%(画像提供:wowkorea)
韓国型戦闘機、5年ぶりに試作機=国産化率65%(画像提供:wowkorea)
部品22万個以上、550個あまり電子装備及び機械装置、電気配線450キロ。韓国の防衛産業技術の集合体である「K戦闘機」韓国型戦闘機(KF-X)の実体がついに明らかになった。

 2015年12月に始まったKF-X試作機の開発作業から約5年ぶりのことだ。防衛事業庁と韓国航空宇宙産業(KAI)は、来月開催予定の出庫式に先立ち、塗色作業を準備しているKF-Xの試作機をメディアに公開した。

 KF-Xは韓国の技術で作る最初の戦闘機だ。故キム・デジュン(金大中)元大統領が2001年、空軍士官学校の卒業式の演説で、戦闘機自体開発の必要性を力説して始まった。その後、事業妥当性の検討と事業の具体化に13年もかかった。特に、米国から戦闘機の核心技術移転を受けようとしたが拒否され、頓挫の危機も経験した。

 しかし、キョンサンナムド(慶尚南道)サチョン(泗川)の KAI航空機棟には不可能に見えたKF-X試作機4機が作られていた。組み立てラインに入ると、黄緑色の状態で追加塗色を控えたKF-X試作1号機が姿を現した。現在、試作1号機はエンジン装着試験まで完了した状態であり、出庫式基準の工程率は92%の水準だ。

 KAIは現在、飛行試験のため6機の試作機を製造している。操縦士1人が搭乗する単座型4機、後部座席のある複座型2機などだ。これらは来年下半期に初飛行を始め、4年間で計2200あまりのソティ(飛行回数)の飛行試験を受ける。さらに、地上試験及び耐久性試験のため試作機2機も製造している。

 国家政策事業に選定されたKF-Xは研究開発だけで約8兆8000億ウォン(約8400億円)が投入される最大規模の兵器開発事業だ。2026年の開発完了から2032年までに計120機を量産し、空軍に配置する。量産費は約9兆3000億ウォン(約8850億円)台と試算される。

 KF-Xは2段階にわたって開発される。まずは基本飛行性能と空対空の戦闘能力を備えることを第1段階とし、その後の追加武装試験を通じて、空対地の戦闘能力を備える。追加武装試験には、7000億ウォン(約666億円)が投入される予定だ。

 2つのエンジンを装着したKF-Xはステルスの形状を備えており、F-22「ラプター」と似た形だった。今のところ、ステルス戦闘機として開発はしていないが、今後の性能改良を考慮したものだ。KF-Xは、第5世代のステルス戦闘機F-35よりやや低い性能の第4.5世代戦闘機に分類される。

 KF-Xは最大7700キログラムの兵装搭載量を誇る。計10か所のPODが設置され、多数・多量の武装が可能だ。韓国型GPS誘導爆弾「KGGB」と、LIGネクスワンが開発している韓国型長距離空対地ミサイルなども搭載される予定だ。KF-Xは2種の空対空ミサイルと10種の空対地爆弾・ミサイルを装着できる。

 特に米国の技術移転拒否により、△能動位相配列(AESA)レーダー、△赤外線捜索追尾システム(IRST)、△電子光学標的追跡装備(EO TGP)、△統合電子戦装備(EW Suite)など核心装備がすべて国内技術で開発されている。このうち、AESAレーダーの国産化率は89%、統合電子戦装備の国産化率は77%を誇る。これら核心装備は開発成功を目の前にしている。

 KF-Xの“心臓”であるエンジンもハンファエアロスペースがGEから関連技術を受け継ぎ、「直購入・組立国産化・部品国産化」の3段階を経て、国産化を推進する予定だ。120機の双発エンジン戦闘機を量産目標にしており、国内物量は補充分を含め260機だ。エンジンの購入費用だけでも4兆ウォン(約3800億円)を超える。

 防衛事業庁のチョン・グァンソン韓国型戦闘機事業団長は「KF-Xは国内技術で製造する初の戦闘機という事業目標を達成するため、価格基準で国産化率が65%に達する」とし「国産戦闘機開発による経済的波及効果もかなりある」と強調した。

 今回のKF-Xによる生産誘発効果は約24兆4000億ウォン(約2兆3200億円)、付加価値の誘発効果は約5兆9000億ウォン(約5600億円)、技術的波及効果は約49兆5000億ウォン(約4兆7100億円)、就業誘発効果は約11万人と推算された。実際に2016年1月に本格的な事業が始まってから昨年末までの雇用創出は、KAIの2次協力会社で計1万1854人と集計された。3~4次協力会社まで加えるとさらに増える。


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