辛東彬会長(資料写真)=(聯合ニュース)
辛東彬会長(資料写真)=(聯合ニュース)
【ソウル聯合ニュース】韓国大法院(最高裁)は17日、朴槿恵(パク・クネ)前大統領らへの贈賄罪などに問われた韓国ロッテグループの辛東彬(シン・ドンビン、日本名:重光昭夫)会長(64)の上告審で、懲役2年6カ月、執行猶予4年の二審判決を支持した。大法院の上告棄却により執行猶予が確定し、収監という最悪の事態を免れたことから、ロッテグループは安堵(あんど)の様子を見せている。 判決を受け、ロッテは「多くの方々の懸念を謙虚に受け止め、国と社会に貢献して信頼される企業になるよう努める」とするコメントを発表した。 ロッテは、大法院の判決によって長く続いた「司法リスク」による不確実性が解消され、この先は辛氏を中心に正常な経営活動に打ち込めると期待している様子だ。 辛氏は昨年2月、贈賄罪に問われた裁判の一審判決で実刑を言い渡され、収監された。同10月に二審で執行猶予付き判決が出て釈放されるまでの8カ月間、ロッテは大規模投資や海外事業が事実上の中断状態となり、重要なM&A(合併・買収)案件が白紙化するなど、グループ経営が危機に陥った。 グループの総帥で「ワントップ」の辛氏が再び不在となれば、下火になっていた辛氏と兄の経営権を巡る争いが再燃したり、日本ロッテと複雑に絡み合う支配構造が揺らいだりする可能性もあった。財界関係者は「辛会長は創業者の息子という象徴性を持ち、個人的な人脈によって韓日のロッテをひとつに束ねる役割を果たしてきただけに、不在時のロッテの混乱は大きくならざるを得ない。大法院の判決でロッテは一息ついた」と話している。 2016年6月に検察がロッテグループへの捜査を本格化させて以降、3年余りに及んだ司法リスクが取り払われ、辛氏が重点的に取り組んできた「新たなロッテ」への転換も弾みがつきそうだ。 ロッテはグループ会社が複雑に株式を持ち合う循環出資を解消し、経営を透明化する狙いから持ち株会社体制への移行を進め、17年10月にロッテ持ち株を発足させたが、体制移行の仕上げともいえるホテルロッテの上場はまだ実現していない。 日本のロッテホールディングスが99%の株式を保有するホテルロッテの韓国での上場は、独立的な持ち株会社体制を完成させるだけでなく、「ロッテ=日本企業」というイメージを払拭(ふっしょく)することにもつながる。 ロッテは辛氏に対する大法院の判決を機にホテルロッテの上場準備を加速させる方針だが、具体的な時期については慎重な姿勢を見せる。ロッテの関係者は「投資家や株主の立場を考えて最も有利な状況で上場する必要があるため、多少時間がかかっている」と説明している。
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