中国当局の「両岸交通基礎施設」建設計画に関連し、「台海通道」(中国から台湾に橋を架ける計画)が再び話題となっている。

 「台海通道」構想に関わっている中国の研究者は、中国側が「台海通道」を建設する技術力・経済力を持っているとし、すでに大陸から新竹・苗栗・嘉義につなぐ3路線についての計画がなされたとしている。

 これに関して、「21世紀発展研究院台湾海峡通道論証センター」の呉之明主任が、中国の政府系メディア「環球時報」の取材に答えている。

 呉主任は取材で、「北線」「中線」「南線」の3プランを提示している。「北線」プランは福建省福州市から平潭島を経由して新竹市に至るもの。「中線」プランは福建省莆田市から南日島を通り苗栗県に至る。「南線」プランは福建省厦門(アモイレ)市から金門島・澎湖(ほうこ)列島を通過して嘉義市に至るという。このうち、「北線」と「南線」が実現の可能性が高いとしている。

 呉主任はさらに、「北線」プランは全長140km程度、海を渡る部分は約124kmと最も短く、鉄道・自動車道を同時に建設することができるとしている。現在、中国側は平潭海峡に鉄道橋を完成させており、平潭島に列車の駅も建設されている。

 呉主任は「南線」プランについては、全長約240kmで「北線」の約2倍となるが、大陸側の出発点が厦門経済特区に近いため、台湾南部の発展に貢献できるとしている。

 また、呉主任は「北線」プランが最も実現の可能性が高いが、最終的な決定はなされておらず、実際の建設工程については「まだ遠い先のこと」と述べている。

 台湾の大陸委員会は、「台海通道」構想は中国側の一方的な計画であり、「中台統一」のための宣伝手段に過ぎないと批判している。
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