韓国の専門家ら「急いだ北朝鮮…2回目の発射も今月11日までには難しい」(画像提供:wowkorea)
韓国の専門家ら「急いだ北朝鮮…2回目の発射も今月11日までには難しい」(画像提供:wowkorea)
北朝鮮が軍事偵察衛星1号機「チョンリマ(千里馬)1型」の発射に失敗し、早い時期に2回目の発射を予告した中、韓国の専門家らは北朝鮮がもともと予告していた今月11日までに2回目の発射を実施する可能性は低いと見通した。

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1日韓国軍合同参謀本部によると、韓国軍はきのうオチョン(於青)島の西方約200キロメートルの海上に非正常な飛行をし落下した北朝鮮の発射体と推定される物体を一部引き揚げた。北朝鮮はきのう午前、軍事偵察衛星「マンリギョン(万里鏡)1号」を新型衛星運搬ロケット「千里馬1型」に搭載し発射したものの、ソヘ(西海、黄海)に墜落したとし、「できるだけ早い時期に2回目の発射を断行する」と明らかにした。

専門家らは北朝鮮の発射失敗の原因として北朝鮮の国家宇宙開発局が認めたエンジンと燃料の問題の他にも、発射を急ぎ過ぎた点などを挙げた。そして北朝鮮が当初、発射を予告していた今月11日午前0時までに「2回目の発射」を実施するのは難しいと見通した。これに先立ち、北朝鮮は国際海事機関(IMO)などに5月31日午前0時から今月11日午前0時の間に人工衛星を発射すると通告した。

統一研究院のチョ・ハンボム先任研究委員は、「総体的に急ぎ過ぎた」とし、「予見された失敗」と話した。キム・ジョンウン(金正恩)国務委員長(朝鮮労働党総書記)のことし4月の「数日以内の発射指示」と先月16日の直接視察、韓国の国産ロケット「ヌリ」の発射成功などが圧迫として作用し、十分なエンジン試験やシステムの安定化なしに発射を断行したため、結局失敗に終わったとの診断だ。チョ委員は、「エンジンの問題を数日間で解決することはできないだろう」とし、「解決したとしても数日以内の発射は無謀な行動」と話した。

イファ(梨花)女子大学北朝鮮学科のパク・ウォンゴン教授は、「北朝鮮が失敗の原因を欺く理由はなく、しかも失敗を認めた状態」とし、「エンジン・燃料などの問題は韓国政府の発表とも大きく異ならない」と分析した。そして、「11日までに2回目の発射を実施するのはほぼ不可能とみられる」とし、「原因を判断し把握するのに6か月以上かかるのが平均的」と述べた。

国家情報院もきのうの国会情報委員会の報告で、「ヌリの発射成功に刺激され、通常20日を要する準備過程を数日に短縮し、新しいトンチャンリ(東倉里)発射場の工事が完了していない状態で急いで敢行したことも失敗の原因の1つ」と明らかにした。

専門家らはまた、北朝鮮が2021年に「クァンミョンソン(光明星)3号」の1回目の発射から2回目の発射まで約8か月の時間を要した点も根拠に挙げた。北朝鮮は2012年4月13日に「光明星3号」を搭載した長距離ロケット「ウンハ(銀河)3号」を発射したが失敗した。当時も金委員長の執権初期であり、故キム・イルソン(金日成)主席の100回目の誕生日を控えた状況で無理な成果を上げようと発射を急いだことが失敗につながったと分析された。北朝鮮は約8か月の再整備後、同年12月に「光明星3号2号機」を再び発射し軌道進入に成功した。

ただ、大統領室は現在、北朝鮮の予告期間内に2回目の発射が実施される可能性も念頭に置いて準備している。大統領室の高位関係者は、「北朝鮮が公示した6月11日まで最悪の状況に備えなければならない」とし、「可能性を念頭に置いて備えている」と話した。
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