30日、ソウル近郊の京畿道平沢市にある烏山空軍基地に着陸する米空軍の高高度偵察機U2S=(聯合ニュース)
30日、ソウル近郊の京畿道平沢市にある烏山空軍基地に着陸する米空軍の高高度偵察機U2S=(聯合ニュース)
【ソウル聯合ニュース】韓国の情報機関、国家情報院(国情院)は31日に非公開で開かれた国会情報委員会の懸案報告で、北朝鮮が同日、軍事偵察衛星の打ち上げに失敗したことについて、飛行経路を無理に変更したことで技術的な問題が発生した可能性があるとの分析を明らかにした。同委員会の与党幹事が伝えた。 北朝鮮の国家宇宙開発局は、北西部の平安北道・東倉里の発射場からロケットを打ち上げた約2時間半後の午前9時5分、「打ち上げ失敗」を公式発表し、2段目エンジンの始動に不具合があったことを明らかにした。 国情院は「過去の打ち上げでは飛行経路は一直線だったが、今回は西側に偏った経路を設定しながら東に無理な経路変更をして、技術的な問題が発生した可能性がある」と説明した。 また、韓国が25日、独自開発した国産ロケット「ヌリ」の3回目の打ち上げに成功したことに刺激を受け、通常20日程度かかる準備を数日に短縮し、発射場の工事が終わっていない状態で打ち上げたことも失敗の一因になったと分析した。 また、金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長(朝鮮労働党総書記)が現場で打ち上げを見守ったものとみられると伝えた。 北朝鮮が新型衛星運搬ロケット「千里馬1」に軍事偵察衛星「万里鏡1号」を搭載して発射したと主張していることに関しては、「大陸間弾道ミサイル(ICBM)のエンジン基盤の新型発射体とみている」とし、万里鏡1号は「全長1.3メートル、重さ300キロで、解像度は最大1メートル前後の初歩的な偵察任務程度が可能な小型の低軌道地球観測衛星」との見方を示した。 与党幹事によると、国情院は「北が打ち上げから約2時間30分後に失敗した事実と原因を迅速かつ詳細に公開したのは、衛星打ち上げの過程を透明に示すことで打ち上げ行為の正当性を強調する狙いがある」と分析したという。 2回目の打ち上げについては、エンジン異常の点検に少なくとも数週間を要するとみられるが、問題が軽微であれば、早期に2回目の打ち上げが行われる可能性も排除できないとの見方を示した。
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