仁川空港で報道陣の質問に答えるチョン・ウウォン氏=28日、仁川(聯合ニュース)
仁川空港で報道陣の質問に答えるチョン・ウウォン氏=28日、仁川(聯合ニュース)
【仁川聯合ニュース】韓国の故全斗煥(チョン・ドゥファン)元大統領一家を巡るさまざま疑惑や自身の麻薬使用を暴露する発言を繰り返してきた全氏の孫のチョン・ウウォン氏が28日朝、滞在先の米ニューヨークから帰国した。仁川国際空港に到着した直後、ソウル警察庁の麻薬犯罪捜査隊がウウォン氏の身柄を確保し、取り調べのためソウル市内に移送した。

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 ウウォン氏は拘束された直後、聯合ニュースの記者に「心が傷ついた方たちに謝罪できる機会があり、幸いと感じる。生まれてきて申し訳ない」と語った。入国手続きを終えてから報道陣に対しても「私のような罪人に韓国で謝罪する機会をくださり、国民の皆様に感謝する。ご迷惑をおかけして申し訳ない」と述べ、「調べを受けてから、5・18(光州民主化運動=光州事件)団体と遺族、被害者の方々に謝罪する」とした。

 同氏は26日に帰国便の予約内容をSNS(交流サイト)に投稿。「到着後すぐに光州に行く」とし、「5・18記念文化センターで(光州事件の)遺族とこの事件で精神的な被害を受けた全ての方たちに謝罪したい」との意向を示していた。

 全元大統領は1980年の光州事件や不正政治資金事件などで内乱罪や収賄罪に問われ、97年に大法院(最高裁)で無期懲役と追徴金の判決が確定。その後、無期懲役刑は特別赦免された。追徴金のうち多くが未納で、親族を動員して財産を隠蔽(いんぺい)している疑いが持たれていた。

 全元大統領の次男、全在庸(チョン・ジェヨン)氏の息子でニューヨークに滞在していたウウォン氏は今月13日以降、SNSやメディアとのインタビューで全元大統領一家の秘密資金疑惑などを暴露したり、自身と知人を「麻薬事犯」と呼んだりした。17日には動画投稿サイト「ユーチューブ」でライブ配信中に「これは(合成麻薬の)MDMA、エクスタシーのこと」「これは(幻覚剤の)DMTというもの」と指し示してから服用。罰を受けるために配信で見せるのだと話した。その後、警察と救急隊員が出動し、ウウォン氏は病院に運ばれた。

 帰国した同氏はこの日、「(ユーチューブの)配信ですべてお見せした。米国には麻薬を使用した病院の記録もある」として麻薬使用の容疑を認めた。

 警察はこの配信やそれまでの発言などを基に調査した上で、ウウォン氏を麻薬類管理法違反の被疑者として立件した。今後、薬物検査と取り調べの結果を踏まえ、逮捕状を請求するかどうか決める方針だ。

 ウウォン氏によると、家族はウウォン氏が麻薬類を使用したとして処罰される可能性があると言って韓国行きを思いとどまらせようとした。だが同氏は帰国便に搭乗する前、聯合ニュースのインタビューに「調べを受ける。謝罪できる機会すらも恩恵だと思う」と語った。


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