韓国検察、サンバンウルの金元会長を拘束・起訴…800万ドルの北朝鮮送金疑惑(画像提供:wowkorea)
韓国検察、サンバンウルの金元会長を拘束・起訴…800万ドルの北朝鮮送金疑惑(画像提供:wowkorea)
韓国検察が3日、サンバンウルグループのキム・ソンテ元会長を裁判に引き渡した。ただし、サンバンウル関連疑惑捜査の引き金となった野党「共に民主党」のイ・ジェミョン(李在明)代表の弁護士費代納疑惑は含まれなかった。

 水原地検刑事6部は同日午後、外国為替取引法違反、政治資金法違反および賄賂供与、資本市場法違反、横領、背任、証拠隠滅教唆の疑いで金元会長を拘束・起訴した。金元会長とともにタイで検挙され、拘束捜査を受けていたヤン・ソンギル現会長も横領と背任の疑いで裁判に付された。検察は、彼らの拘束満了が5日の日曜日であることを考慮し、同日起訴したという。

 韓国検察によると、金元会長は2019年1月~12月、北朝鮮事業を推進。北朝鮮の立ち遅れた協同農場を改善できるように、「スマートファーム」費用などの支給名目で約800万ドルを海外に密搬出した。その後、北朝鮮に送金した疑いが持たれている。

 また、2018年7月~昨年7月、当時のイ・ファヨン(李華泳)京畿道平和副知事に約3億3000万ウォンの不法政治資金を渡した疑いも適用された。検察はこの中で、約2億6000万ウォンに対しては賄賂にも該当すると見て、賄賂供与の疑いも適用している。この部分の容疑と関連して、李元副知事はすでに昨年10月、特定犯罪加重処罰法上の賄賂、政治資金法違反の疑いで起訴されている。

 2018~2019年には、サンバンウルグループ系列会社で転換社債を3回発行する中、株価操作などを行い資本市場法に違反。2014~2022年にはサンバンウル系列会社の資金43億ウォンを横領・背任。2019~2021年にはグループの職員名義で作った非上場会社資金約592億ウォン相当を横領・背任した疑いも受けている。

 検察の捜査を目前に控えた2021年10~11月、職員にコンピュータの交換など、関連資料を削除するよう指示し証拠隠滅を教唆した疑惑も適用された。

 ヤン会長は金元会長と共謀し、358億相当の会社資金を横領・背任した疑惑を受けている。

 ただ、この日の起訴でサンバンウル関連捜査の引き金となった李代表の弁護士費代納疑惑は含まれなかった。まだ、これについては具体的な容疑点が見つかっていないという。弁護士費代納疑惑は、李代表が2018年地方選挙後、職権乱用と公職選挙法違反疑惑で捜査と裁判を受けた事件だ。弁護士費用をサンバンウルが代わりに払ったのではないかというのが疑惑の焦点だ。

 検察は今後の捜査で、弁護士費代納疑惑をはじめ、金元会長の北朝鮮送金容疑と李代表との関連性を探ることに集中する方針だ。とくに、北朝鮮に送られた外貨とサンバンウル・京畿道庁間の対価性について捜査する計画だ。

 当初、検察は金元会長の拘束令状請求書に、違法による北朝鮮送金金額を500万ドル規模で記載した。ところが拘束捜査の中で、500万ドルの他に300万ドルがさらに渡された事実を発見した。

 検察はこの800万ドルが2019年1月200万ドル、4月300万ドル、11月300万ドルと、それぞれ北朝鮮側に送金されたものとみている。この中で2019年1月と4月の送金は北朝鮮の立ち遅れた協同農場を改善できるようにするための京畿道の「スマートファーム」支援事業費用だ。ただ、金元会長によると、11月の送金は京畿道知事だった李代表の訪朝用費用だという。検察はこの証言をもとに、今後の捜査で事実関係をさらに確認しながら、李代表と具体的に関連があるか確認する。李代表はこの疑惑について、先月31日国会で取材陣に「検察の新作小説だ」と批判した。

 水原地検は金元会長とヤン会長を起訴後、「タイで検挙し、国籍機搭乗後に逮捕令状の執行などで逮捕の期限が迫っていた」として、「逮捕令状記載の犯罪事実を中心に捜査し拘束した」と説明した。続けて「2人の関連犯罪は多数あるが、拘束捜査期間20日以内に拘束令状に含まれた犯罪事実を中心に、一部の犯罪事実を起訴した。切迫した期限内で、起訴できなかった他の犯罪は現在引き続き捜査中」と明らかにした。
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