判決後、高裁で報道陣の取材に応じる浮石寺の関係者ら=1日、大田(聯合ニュース)
判決後、高裁で報道陣の取材に応じる浮石寺の関係者ら=1日、大田(聯合ニュース)
【大田聯合ニュース】長崎県対馬市の観音寺から盗まれ、韓国に持ち込まれた「観世音菩薩坐像」を巡り、数百年前に略奪されたとして所有権を主張する韓国の浮石寺(忠清南道瑞山市)が像を保管している韓国政府に引き渡しを求めた訴訟の控訴審で、大田高裁は1日、浮石寺の所有権を認めた一審判決を取り消し、原告の請求を棄却した。 高裁は「1330年に浮石寺が仏像を制作したという事実関係は認めることができ、(日本の)倭寇(わこう)が略奪し違法に持ち出したと見なせる証拠もある」としながらも、「当時の浮石寺が現在の浮石寺と同一の宗教団体ということが立証できず、所有権を認められない」とした。また、「1527年に朝鮮から仏像を譲り受けたという観音寺側の主張も確認は難しいが、1953年から仏像が盗まれる2012年までの60年間、平穏かつ公然と占有してきた事実が認められる」とし、「すでに取得時効(20年)が完成しているため、所有権が認められる」と判断した。 ただ、「民事訴訟は所有権の帰属を判断するだけであり、文化財の返還問題は国連教育科学文化機関(ユネスコ)条約か国際法に基づいて決めなければならない」と説明した。 判決を受け、浮石寺側の関係者は高裁で記者団に対し、「残念だ」としたうえで、「今後の法的手続きは弁護士と相談して決める」と述べた。浮石寺側の弁護士は「(判決は)認められない」とし、大法院(最高裁)に上告する考えを示した。 仏像は高さ50.5センチ、重さ38.6キロで、韓国人窃盗団が2012年10月、観音寺から盗んで韓国に持ち込んだ。現在は大田にある国立文化財研究所に保管されている。 2017年1月26日に開かれた一審判決では、正常ではない方法で仏像が日本に持ち出されたとして、浮石寺の所有権を認めていた。
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