韓国政府、公共建設現場の不法行為根絶対策発表...公共機関が組合に直接損害賠償請求(画像提供:wowkorea)
韓国政府、公共建設現場の不法行為根絶対策発表...公共機関が組合に直接損害賠償請求(画像提供:wowkorea)
韓国国土交通省は建設現場の不法行為根絶対策をまとめるために官民協議体第3回会議を開き、その結果を12日に発表した。

 建設労組のストなどで工期が遅れ被害が発生した場合、発注者の公共機関が下請け会社に責任を転嫁せず、労組に対して刑・民事上の損害賠償に出るよう方針を固めた。下請け業者には工期の延長による遅滞償金(遅延による賠償金)を免除するなど、救済方案も用意する

 韓国では昨年、貨物トラック運転者の労組「貨物連帯」などのストで、工期遅延など被害が相次いで発生。最近になって公共機関が下請け会社に責任を転嫁する問題が指摘され、韓国政府が特段の措置を取ることにした。

 同省では、公共機関が発注した建設現場で不法行為が発生した場合、発注機関が直接事態を把握し、民事・刑事上の対応に乗り出すよう措置する予定だ。

 不法行為によって公共建設事業が遅れた場合、零細な下請け業者には工期の延長による賠償金を免除するなど救済方案も用意する。

 ウォン・ヒリョン(元喜龍)国土交通は会議後、韓国土地住宅公社(LH)やソウル都市住宅公社(SH)、国家鉄道公団、韓国道路公社など公共機関の代表らを呼んで懇談会を開いた。

 懇談会では建設現場の不法行為に対応するため、本社・地域本部・建設現場間の対応体制の構築について話し合われた。

 本社は不法が疑われる地域の人材・組織を補強。常設法律支援チームを結成し、民・刑事の対応を支援する。建設現場では監督官が不法行為をリアルタイムでモニタリングし、発生時には直ちに地域本部に連絡する計画だ。

 また、同省ではソウル・原州・大田・益山・釜山にある国土管理庁に、建設現場不法行為対応のための専門担当組織も作っている。

 元氏は「公共機関から先頭に立って、建設現場の法と原則を正さなければならない。今年上半期をゴールデンタイムとし、建設現場の毒を取り除く」と述べた。

 今回の措置でLHは、最近入居が6か月ほど遅れたソウル市カンナム(江南)区スソ(水西)駅周辺の「A3新婚希望タウン(597世帯)」に対し、貨物連帯などに被害賠償を請求する案を検討するという。

 同社によると、昨年、貨物連帯や生コン運送組合のストで工事が遅延。入居予定者らは入居日が遅れ、引越し予定日に間に合わなかったり、子どもの学校入学に支障をきたしたり、さまざまな被害を訴えている。

 同社の関係者は「入居の遅延による賠償金を入居予定者の残金から控除し、貨物連帯にはストにともなう被害賠償を請求することになるだろう」と述べた。

 民官協議体では、タワークレーンの月例費とレミコン運送拒否に対する対応案も話し合われた。

 タワークレーンの月例費は、建設会社がタワークレーンの運転士に給与の他に別途支給する費用だ。運転士はタワークレーン賃貸業者と雇用契約を結び報酬を受け取っている。それにもかかわらず、建設会社に請求し、慣例で月600万~1000万ウォンの月例費を受け取るという。

 建設会社が請求を断れば、運転士が資材をゆっくりと引き揚げたり、引き揚げを拒否したりして、工事の日程に遅らせる。そのため、建設会社は仕方なく月例費を払うしかない。

 会議に出席した建設業界の関係者は、「タワークレーンの作業が全体の工事を左右する可能性がある。そのため、施工会社との関係では運転士が絶対的に優位に立つ構造となっている」と説明した。

 会議の参加者らは、月例費など金品強要行為が摘発された場合、タワークレーン運転士の免許停止・取り消しができるよう制度を整備するべきと建議した。

 レミコン業界では、労組所属組合員の採用を強要し、レミコン運送を拒否したり、新たに就職しようとする人々に金品を強要する問題が現れている。

 慶南昌原で行われているLHの「幸福住宅」建設現場では、施工会社が組合員採用の要求を受け入れないため、労組が先月16日から今月8日までの24日間レミコンの供給を中断したという。

 新規の運送事業者には、仕事を与える代価として、発展基金の名目で1000万~2000万ウォンを要求することもある。

 貨物連帯のストなどで民間建設現場の工事遅延も続出している。サムスン物産は最近、ソウル瑞草区盤浦洞の「レミアン・ワンベイリー」再建築組合に、当初8月予定だった入居を10月に2か月間延長するよう求めた。貨物連帯のストで工期が遅れたためだが、再建築組合はサムスン側に反対意見を伝えたという。

 建設業界は「現実的に一般分譲者に対する遅滞補償金問題で、工期の延長は難しい。やむを得ず工事が遅れる場合、組合と施工会社間の責任を巡り葛藤が広がる恐れがある」と述べた。
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