ソウル市瑞草区のサムスン電子社屋(資料写真)=(聯合ニュース)
ソウル市瑞草区のサムスン電子社屋(資料写真)=(聯合ニュース)
【ソウル聯合ニュース】韓国のサムスン電子が27日発表した2022年7~9月期の連結決算によると、本業のもうけを示す営業利益は10兆8520億ウォン(約1兆1200億円)で前年同期比31.4%減少した。主力の半導体メモリーの市況悪化が影響した。売上高は3.8%増の76兆7817億ウォンで、7~9月期としては過去最多だった。純利益は9兆3892億ウォンで23.6%減少した。

 売上高は昨年7~9月期に四半期ベースで初めて70兆ウォンを突破し、3四半期連続で過去最高を更新した。続く今年4~6月期と7~9月期は小幅減少したものの、4~6月期、7~9月期としてはそれぞれ過去最高となった。通年では昨年に続き過去最高を記録すると見込まれる。

 一方、営業利益は2019年10~12月期以来、約3年ぶりに前年同期を下回った。金融経済情報メディアの聯合インフォマックスが集計した市場予想(11兆4305億ウォン)に比べても5.1%少ない。

 半導体メモリーの不振に加え、新型コロナウイルス流行に伴う特需が去り、完成品の需要が萎縮したことも響いた。

 部門別にみると、デバイスソリューション(DS、半導体)部門は売上高が23兆200億ウォン、営業利益が5兆1200億ウォンだった。

 売上高は証券会社による予想(24兆~25兆ウォン)より低い。昨年は米インテルから3年ぶりに半導体売上高の世界1位の座を奪い返したが、今年7~9月期はファウンドリー(半導体受託生産)世界最大手の台湾積体電路製造(TSMC)にその座を譲ることになった。

 サムスン電子の半導体メモリー事業は、サーバー用製品の供給先である企業の在庫調整の影響が予想以上に大きく、スマートフォン(スマホ)やパソコン向け製品も需要が減退した。システムLSI(大規模集積回路)の業績も低調だった。一方、ファウンドリーは最高の業績を記録した。

 ディスプレー(SDC)の売上高は9兆3900億ウォン、営業利益は1兆9800億ウォンだった。スマホメーカーの新製品発売と為替を追い風に中小型製品が大幅に伸びた。

 デバイスエクスペリエンス(DX、モバイル・家電)部門は売上高が47兆2600億ウォン、営業利益が3兆5300億ウォンとなった。

 モバイルエクスペリエンス(MX、スマホ)は折り畳みスマホなどのフラッグシップ端末とウエアラブル端末の販売が好調だった。映像ディスプレー(VD)・家電は世界経済の減速によるテレビなどの需要伸び悩みとコスト上昇が響き、収益性が悪化した。

 進行するドル高は、DX事業にはマイナス要因となったものの、部品事業でのプラス影響の方が大きく、全体の営業利益を前期比で1兆ウォン程度押し上げた。

 7~9月期の設備投資額は12兆7000億ウォンだった。このうちDSに11兆5000億ウォンが投じられた。1~9月累計の設備投資は約33兆ウォン(DSが29兆1000億ウォン、SDCが2兆1000億ウォンなど)となった。今年の投資額は約54兆ウォン(DSが47兆7000億ウォン、SDCが3兆ウォンなど)と予想されている。

 10~12月期もIT需要の不振と半導体メモリー市場の弱含みは続くとみられ、苦戦が予想される。サムスン電子は半導体部門で収益性重視のDRAM事業を展開し、ファウンドリーの業績改善にも努める計画だ。

 同社は来年について「マクロ経済の不確実性は続くだろうが、一部の需要回復は可能と期待される」と述べた。


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