エイブラムス氏(資料写真)=(聯合ニュース)
エイブラムス氏(資料写真)=(聯合ニュース)
【ソウル聯合ニュース】エイブラムス前在韓米軍司令官が台湾有事の際に在韓米軍の兵力が投入される可能性に言及したことに対し、韓国国防部は27日、対北朝鮮抑止が在韓米軍の最優先任務だと強調した。

 エイブラムス氏は米政府系のラジオ自由アジア(RFA)のインタビューで、中国が台湾を侵攻した場合に在韓米軍が対応に投入される可能性を問われ、「あり得る」と答えた。中国の台湾侵攻時にどの兵力を活用するのか決めるのは米国だとし、「在韓米軍の兵力の一部が台湾事態に投入されるとしても、米韓同盟は北朝鮮に対する抑止を維持することのできるいくつかのオプションを持っている」と強調した。

 ただ、オプションの内容については「詳しく紹介することは適切でない」と言及を控えた。

 エイブラムス氏の発言を巡り、国防部のムン・ホンシク副報道官は定例会見で「ラカメラ現司令官は、在韓米軍は北の侵略を抑止し、対応する任務の遂行を最優先にしていると述べた」と説明。そのうえで在韓米軍は韓国軍と連合防衛体制を構築しているとし、「在韓米軍の戦力の運用に対し、韓米間で緊密な(協力)システムを維持している」と伝えた。

 尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領も25日に放送された米CNNテレビのインタビューで、「中国が台湾を攻撃すれば、北も挑発を行う可能性が高い」と指摘し、「韓国では強力な韓米同盟を基に北の挑発に対応することが最優先の課題になるだろう」と述べていた。

 台湾独立を志向する蔡英文政権が2016年に発足して以降、中国と台湾の関係は悪化の一途をたどっている。中国は台湾の武力統一も辞さない構えを示しており、米国は自国の艦艇に台湾海峡を通過させる「航行の自由」作戦を継続するなど台湾を守る姿勢を強く示唆している。台湾問題が米中の対立に飛び火している様相だ。


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