<W解説>秋夕にキムチチゲを作ってふるまった韓国の尹大統領(画像提供:wowkorea)
<W解説>秋夕にキムチチゲを作ってふるまった韓国の尹大統領(画像提供:wowkorea)
韓国のユン・ソギョル(尹錫悦)大統領は、大統領として初めて迎えた10日の秋夕(チュソク・中秋節)で国民にメッセージを送った。また、配食ボランティアで自ら調理し食事を提供したほか、軍を訪問して将兵を励ますなど、国民に寄り添う活動を精力的に行った。

キム・ゴンヒ の最新ニュースまとめ

 秋夕はソルラル(旧正月)と並ぶ韓国の代表的な名節だ。今年は今月10日だった。

 秋夕を含む前後は祝日で、連休初日の9日、尹大統領はSNSにキム・ゴンヒ(金建希)夫人との秋夕のメッセージ動画を公開した。夫妻は民族衣装の韓服姿で登場。尹氏はまず、今月はじめに南部を中心に被害をもたらした台風11号の被災者に向け「台風と水害で被害を受けた方々が一日も早く日常に戻れるよう、最善を尽くす」とした。続けて「苦しく、つらい時期、いつもわれわれは希望を分かち合い、力を合わせて危機を克服してきた。経済が苦しい時、さらに苦しむ庶民と社会的弱者を豊かに支える社会をつくる」と述べた。

 さらに尹氏は「自分の声も上げづらい方々に配慮し、ケアする真の弱者福祉が必要」とし、「政府と医療機関、そして隣人が力を合わせて社会安全網から誰一人疎外されることがないようにする。苦しむ国民の声に細やかに耳を傾け、その方々の心を癒す政府をつくる」と誓った。新型コロナウイルス対応に当たるなどしている人たちにも思いをはせ、「秋夕の連休にも各自の場を守り、使命を尽くしている方々がいる。韓国社会の灯となって下さっているすべての方々に感謝の気持ちを送る」と述べた。

 そして、最後に「名節くらいは日常の心配をしばしおいて、大切な人たちと心を分かち合う時間を過ごしてほしい」とメッセージを送った。

 動画を公開した9日にはソウルのミョンドン(明洞)大聖堂を訪れ、配食のボランティア活動に参加した。エプロンに三角巾を身に着けた尹氏は、調理室で700人分のキムチチゲの調理に取り掛かった。完成すると尹氏は率先して配膳なども行った。

 尹氏は趣味の一つが料理で本格的な腕前で知られる。先の大統領選挙中も、テレビやSNSを通じてチゲやパスタ、オムレツなどを作る姿を発信し、話題を集めた。

 尹氏は大統領選に勝利した後、3月にも明洞大聖堂を訪れ、今回同様、配食ボランティアに参加している。この時、尹氏は大統領就任後に再び訪問するとカトリック教のソウル大教区長のチョン・スンテク大司教と約束していた。尹氏は今回の再訪でチョン大司教と歓談もし、「票を得るための福祉ではなく、困難な人たちのそばで力になれる福祉政策を展開していく」と誓った。

 尹氏はこの後、ソウル市内の市場も訪問。商店主らと歓談した。

 翌10日には首都防衛司令部の防空中隊を訪問。将兵らと昼食を共にし、「名節に親とも会えず、首都ソウルの上空を守るため献身する将兵の皆さんを見ると、とてもうれしくありがたい」と感謝の気持ちを伝えた。また、尹氏は将兵5人の両親と映像通話であいさつし、「息子さんはとても頑張って任務に当たっているので安心してください。私たちの将兵がよりよい環境でやりがいのある軍生活が送れるよう、さまざまな支援を惜しまない」と伝えた。大統領室は今回の軍部隊訪問について「秋夕の名節にも国と国民の安全のため献身する将兵を激励し、家族と共に名節を過ごせない人たちと共にしたいという尹大統領の意向により行われた」と説明した。

 世論調査会社のコリアリサーチが、今月7、8両日に全国の満18歳以上の男女1001人を対象に実施した世論調査では、尹氏に国政運営に対し、「よくやっている」との評価は30.4%、「うまくやれていない」との回答は63.6%だった。肯定評価は先月より1.8ポイント上がったが、依然、否定評価が肯定評価を2倍以上高い結果となった。

 秋夕の連休中に各所に赴いて国民と触れ合ったのは、支持率が伸び悩む中、国民に寄り添う姿勢をアピールする狙いもあったものとみられる。

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