韓国では、「高物価」後の経済沈滞の影がだんだんと色濃くなっている(画像提供:wowkorea)
韓国では、「高物価」後の経済沈滞の影がだんだんと色濃くなっている(画像提供:wowkorea)
韓国では、「高物価」後の経済沈滞の影がだんだんと色濃くなっている。研究機関でも政府内の分析でも懸念が持ち上がっている。

韓国開発研究院(KDI)は今月7日に発表した “経済動向9月号”で「最近のわが経済は、サービス業の改善にもかかわらず対外需要が鈍化し、景気回復が弱まっている状況だ」とし「対内外の金利引き上げ基調が続く中、中国の主要都市封鎖措置などにより景気下方の圧力が強まった」と分析した。

現代経済研究院は4日に出した “週間経済動向報告書”で「輸入物価の高騰・ウクライナ戦争などが否定的影響を及ぼしながら、韓国経済の成長力を弱めている」とし「輸出が増加の勢いを維持し経済安全盤の役割をしているが、輸出単価の要因が悪化することしの後半以降は、内需と輸出がともに沈滞する複合不況が懸念される」と診断した。

また「インフレはピークがだんだん過ぎ去ったとみられるが、高物価による消費急減状況が続くことに加え、運送装備・機械類など設備投資の沈滞が長期化している」と分析し「家計や企業心理は大きく委縮している」と診断した。産業別にみると、鉱工業の生産増加の勢いが弱まり製造業も在庫がたまるなど、経済沈滞の可能性が高いというのが、現代経済研究院の分析である。

今後の経済状況を悲観的にみる背景としては「輸出景気の下向」「ウォン安による輸入物価の不安」「高金利・高物価による消費の委縮」などがあがっている。

さらに「為替レートの高騰による輸入物価の上昇が、インフレ安定化の妨げとして作用するおそれがある」とし「(新型コロナウイルス感染症事態が)エンデミックへと転じることでリベンジ消費を期待したが、高金利・高物価による家計実質購買力の低下により、消費の沈滞が進行している」と分析した。

韓国政府も、最近の経済状況における「景気の鈍化」を懸念している。これは「高い物価上昇の勢いに消費心理などが悪影響を受ける中、全世界経済の下方リスクにより今後輸出の回復が制約される可能性が懸念される」という診断である。

韓国政府は先月19日に発行した “最近の経済動向8月号”で「対外条件の悪化などにより高い物価上昇の勢いが続き、経済心理も一部影響を受ける中、今後の輸出回復制約など景気鈍化が懸念される」と強調した。

Copyright(C) herald wowkorea.jp 96