ミヌム社の世界文学全集は今年2月の時点で400作を超えているが、そのうち100刷を記録した作品はJ・D・サリンジャー「ライ麦畑でつかまえて」、ヘルマン・ヘッセ「デミアン」、ジョージ・オーウェル「動物農場」などわずかだ。
「人間失格」はこれまでに30万部超を売り上げた。
ミヌム社の関係者は昨年の初めごろから「人間失格」を買い求める読者が急に増えたとし、「(新型コロナウイルスの感染拡大が始まった)20年には(アルベール・カミュの)『ペスト』がよく売れた。厳しい時勢に古典がよく売れるにしても『人間失格』は群を抜いて人気が高い」と話した。編集者も理由を明快に説明できず、「ミステリー」とも言われているという。
1948年に発表された「人間失格」は太宰治の代表作の一つ。人間関係に対する本能的な恐怖と懐疑から逃れられない若者があがき、転落していく姿を描いた。
ミヌム社は「発表から70年が過ぎた今も世界中の若者に読まれている。現実の壁の前で立ち尽くす不安定な状況の青年たちの間で特に深い共感を呼んでいる」とコメントした。
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