韓国の先端企業たちは「米韓同盟の引き上げ」の強固な動力源となった(画像提供:wowkorea)
韓国の先端企業たちは「米韓同盟の引き上げ」の強固な動力源となった(画像提供:wowkorea)
ユン・ソギョル(尹錫悦)韓国大統領の就任から11日後という早さで行なわれた米韓首脳会談は、米韓同盟の新たな一里塚を立て終了した。「平和と繁栄のための核心軸」「戦略的経済・技術パートナーシップ」「グローバル包括的戦略同盟」という3つのパートで構成された共同声明は、軍事・安保に限られていた米韓同盟を未来志向的な安保・経済・価値同盟へと拡張する内容で満たされた。伝統的な軍事安保により出発した米韓同盟が、いまや供給網・保健・気候変動・エネルギー・デジタルなど多様な分野を包括するという、名実ともに「グローバル包括的戦略同盟」へと位置づけされることになったのである。

米国の大統領が日本より先に首脳会談のため韓国を訪問したのは、今回が初めてである。米中覇権競争とウクライナ事態により新たな局面を迎えた国際情勢において「韓国とのパートナーシップは、米国の国益にとって重要だ」ということが、改めて確認されたのである。特に中国による半導体の勢力拡大をけん制するとともに、ウクライナ事態以降その重要性が一層高まっている供給網確保のため、半導体・電気自動車バッテリーの製造強国である「韓国との連帯が急がれる」と判断したのである。

ジョー・バイデン米大統領が韓国に到着した去る20日、世界最大の半導体生産施設であるサムスン電子の工場を訪問したのは、これを裏付ける象徴的なものだと言える。サムスン電子の超格差技術が、米韓同盟を動かす「テコ」として働いたのである。

サムスン電子が首脳会談のスタートを飾ったとするなら、最後を飾ったのは現代自動車であった。現代自動車グループのチョン・ウィソン(鄭義宣)会長は22日、バイデン大統領と同席した場で、ロボティックス・自動運転ソフトウェア・都心航空モビリティ(UAM)・AI(人工知能)関連の米現地企業に対し、2025年までに50億ドルを投資する内容を明らかにした。すでに発表したジョージア州の55億ドル規模の電気自動車・バッテリーセル工場への投資額を合わせると、計105億ドル規模の投資プレゼントをバイデン大統領に贈ったことになる。

ことし11月の中間選挙を5か月後に控え「雇用創出」と「先端製品の米国内生産」という公約履行が大きな宿題となっているバイデン大統領にとっては、これ以上価値のあるプレゼントはないということだ。今回の会談で、北朝鮮の核・ミサイルに立ち向かう拡張抑止の手段として「核」を初めて明示するなど、韓国の安保強化のレベルを引き上げたのは、韓国企業たちの大胆な投資への返礼だと言えるだろう。サムスン電子・現代自動車だけでなくSK・LGなど韓国の先端企業たちが、米韓同盟の引き上げの強固な動力源となった。

バイデン大統領は2泊3日という短い日程の中、韓国企業のトップに2回も会ったことからもわかるように、企業はいまや経済安保の「主軸」となった。産業技術においての優越性が、国家経済だけでなく安保とも直結した時代を我々は生きている。韓国政府は、企業が超格差技術をリードできるような環境を築くことに、国家的な支援を注ぐべきだ。

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