韓国は冷遇、中国では称賛されたのに、結局…iPhoneに何が起こったのか=韓国報道(画像提供:wowkorea)
韓国は冷遇、中国では称賛されたのに、結局…iPhoneに何が起こったのか=韓国報道(画像提供:wowkorea)
“アップル、中国だけを信じていたのに、ひどい目にあった!”

 アップルが中国の新型コロナウイルス感染症(新型コロナ)再拡散で苦境に立たされている。中国が上海や北京などの都市を相次いで封鎖し、アップル製品の生産に赤信号が灯った。アップルの完成品の組み立ての大部分が中国で行われているためだ。

 アップルはこれまで中国と“蜜月の関係”を続けてきた。アップルは中国の安い労働力を土台に生産工程を効率化した。中国政府もこれに政策的支援で応えた。2016年にはアップルが中国に2750億ドル(約35兆8200億円)を投資する“秘密契約”を結んだことも分かった。そのおかげでアップルは米中葛藤が激化する渦中でも制裁の打撃を受けず、むしろ勢いに乗った。一方、アップルは韓国市場を冷遇した。韓国はiPhoneの1次発売国から毎回除外されただけでなく、アフターサービスもひどい状況だ。韓国内の移動通信会社にテレビ広告費、製品の無償修理費用などを押し付けたりもした。

 今月4日、中国河南(かなん)省鄭州(ていしゅう)市に封鎖措置が下された。鄭州市には中国国内最大の電子機器受託生産企業「フォックスコン」の工場が位置している。1日平均で50万台のiPhoneを生産し、“iPhoneの故郷”とも呼ばれる。フォックスコンは鄭州工場の生産には異常はないという立場だ。しかし、5月初めに公開した生産人材の採用は電撃中断した。これに先立ち、従来よりも30%値上がりした8500元(約16万5100円)の“ボーナス”まで掲げた。これは、iPhone13プロのラインナップ増産と工場稼動中断に備えた措置と知られた。しかし、中国政府の封鎖措置で水の泡となった。

 このような事態は今回が初めてではない。今年4月、中国の「ペガトロン」の上海と昆山(こんざん)工場の稼動が中断された。ペガトロンはiPhone全体の20~30%ほどを組み立てており、フォックスコンの次に多くのiPhoneを生産するメーカーだ。マックブック委託生産業者の「クアンタ・コンピュータ」も1か月間、生産に支障をきたしている。上海だけで31のアップルの部品・組み立て業者が封鎖の影響を受けたと明らかになった。

 これまで、アップルが中国に“過度に依存してきた”という評価が出ている。アップルは米国、インド、ベトナム、日本など世界中から部品を調達しているが、完成品の“組み立て”は事実上、中国で全て行われている。2011年にティム・クックがアップルのCEOになった後、固守してきた戦略だ。ティム・クックは供給業者数を減らし、組み立てを中国工場に一元化した。そのおかげでアップルは事実上、在庫物量がほとんどないほど弾力的なサプライチェーンを誇ることになった。しかし、「諸刃の剣」だった。新型コロナ、米中葛藤の深刻化など、中国の状況によってアップル全体が揺さぶられる状況になってしまった。

 実際にアップルは第1四半期実績を発表し、第2四半期のサプライチェーンイシューで40億~80億ドル(約5210億3900万円~1兆420億7700万円)程度の損失が予想されると明らかにした。サプライチェーンへの支障が本格化する第2四半期には出荷量の減少が避けられない見通しだ。このため、アップルは今年4月28日(現地時間)に市場展望値を上回る第1四半期実績を発表したものの、時間外取引で株価が4%暴落した。4月の上海に続き、北京など中国国内で新型コロナウイルス感染症(新型コロナ)が拡散し、追加的な損失の可能性も提起されている。

 アップルも“脱中国”にシフトし始めている。2019年には一部のマックブックプロを米国で組み立てた。マックスタジオはマレーシアで、M1アイマックはアイルランドとタイで製造中だ。AirPodsの一部モデルもベトナムで組み立てられている。iPhoneもインド、ブラジルなどで生産されている。今年はインドで100万台のアイフォンを生産したという。
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