ソウル市の主要外食価格の推移(画像提供:wowkorea)
ソウル市の主要外食価格の推移(画像提供:wowkorea)
「暑くなってきたのに冷麺一杯食べるのも怖いですね。月給以外すべて値上がりしました。」

「冷麺マニア」を自認するパク・ヒョンジェさん(44)は最近、ソウルチュング(中区)の有名冷麺店を訪れてびっくりした。昨年まで1万6000ウォン(約1640円)だった刺身冷麺の価格が1万7000ウォン(約1740円)に急騰していたのだ。パクさんは「春になったら冷麺を食べるのが生きる喜びなのに、こんなに高かったら食べられない」と語り、「刺身冷麺は高いから、今後は水冷麺を食べることにしよう」と舌を巻いた。A冷麺店社長のイさんはパクさんに「私たちも売り上げ以外すべて値上がりした」と話し、「食材費、運送費、人件費などが上がったため、価格を上げざるを得ない」と苦労を訴えた。

17日、外食業界によると、ソウルの有名冷麺店の相当数が年初から1000ウォンずつ値上げしたと伝えられた。「ミシュランガイド・ソウル2022」に掲載されたピルトンミョノク(筆洞麺屋)では従来の1万2000ウォン(約1230円)から1万3000ウォン(約1330円)に価格を引き上げ、ポンピヤンでは1万5000ウォン(約1540円)に、ウルチミョノク(乙支面屋)は1万3000ウォンに、それぞれ1000ウォンずつ値上げした。

代表的な「庶民の食べ物」であるカルグクスも同様だ。15日に訪れたソウル市ソデムン(西大門)区のあるカルグクス店の価格表には、「8000ウォン(約820円)」の一番前の数字「8」が多少ぎこちない字体で書かれていた。社長のBさんは「今のままでは到底価格を維持できず、昨日から7000ウォン(約720円)から8000ウォンに引き上げたが、価格表を替えるとまたお金がかかるので、前の数字だけ直した」と語り、「醤油、油、焼酎、紙ナプキンまで、値上がりしていないものはない」と困り顔をした。

実際、2月のロシアによるウクライナ侵攻後、韓国国内の外食業界は国際穀物価格の上昇の影響をすぐに受けた。17日、韓国消費者院の価格情報ポータルサイト「チャム価格」によると、3月のソウル地域の冷麺の平均価格は9962ウォン(約1021円)で、前年に比べて9.7%上昇した。1万ウォン台突破は時間の問題になりそうだ。同期間、ソウル地域のカルグクスの平均価格は8.8%上昇した8115ウォン(約832円)を記録した。ソウルのカルグクスの価格が8000ウォンを超えたのは今回が初めてだ。このほか、ジャージャー麺が9.4%、ビビンバが7.0%、キムチチゲ定食が5.7%、のり巻きが5.2%など、高い年間上昇率を示した。

韓国はロシア・ウクライナから遠く、物流費の負担が大きく品質も落ちるため、主に北米やオーストラリアから小麦を輸入しているが、世界の小麦市場シェアの29%を占める両国の輸出が麻痺状態であるため、間接的な影響を受けている。韓国農村経済研究院によると、今年初めに1トンあたり279ドルだった国際小麦価格は17日時点では400ドル台で取引されている。

製粉業界のある関係者は、「今回のウクライナ戦争勃発以降、世界の小麦輸出量の29%がロシアとウクライナの輸出港に足止めされている」と語り、「約30%の物量が長い間停滞しているため、他国から調達する70%の物量の価格が上がるのは当然の結果だ」と話した。

刺身店は原油価格の上昇が直撃した。魚の陸路運送費が上昇し、高い燃料費を節約しようと操業に出る船が減り、水産物の価格が天井知らずに跳ね上がっているためだ。

ソウル市マポ(麻浦)区ヨンナムドン(延南洞)で刺身店を営むキムさんは「昨日、ノリャンジン(鷺梁津)水産市場に行ってみたら、ニシンが普段の5分の1程度のわずか10箱しかなかった」と話し、「最近、漁船が一回出港するのに燃料費が1000万ウォン(約102万円)程度かかるらしく、これが負担になって普段50隻出る漁船が10隻しか出ないと聞いた」と話した。船を出したところで燃料代も確保できないため、操業に出ない船が増え、漁獲量が減り、必然的に魚の価格上昇が避けられないという。
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